吉田 恒 ドル/円は2月に入ってから101-102円で小動きが続いてきた。ただそろそろ、これから1週間程度の間に動き出す可能性があるのではないか。カギは米金利ではないか。


◆鍵は米金利が握ることになるのか



 金利と株は必ずしも順相関の関係ではなく、逆相関の関係になることも珍しくない<資料参照>。ところが、過去3-4か月、両者は異例ともいえる順相関の関係が続いてきた。

※<資料>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=596279

FX

 為替において、特にドル/円は日経平均との強い相関関係が続いてきた。要するに、ドル/円は日経平均など株次第の構図となってきた。そして、その株が上述のように、この数か月は異例の金利次第となっていた。

 さて、その金利、特に米長期金利は最近2.6-2.7%中心に方向感のない展開が続いてきた。これまで見てきたように、株は金利次第で、為替は株次第ということなら、最近にかけドル/円など為替が方向感ない展開が続いたのは、要するに米金利の方向感ない展開が続いたためということになるだろう。

 では米金利はなぜ方向感ない展開が続いたのか。雇用統計のNFPが2か月連続で予想を大きく下回るなど米景気指標の悪化が続いたが、それが寒波による一時的なものか、それとも米景気回復の変調なのかの見極めが難しいということが主因だっただろう。

 さて、来週末発表予定の米2月雇用統計で、NFPは3か月連続のネガティブ・サプライズになってしまうのか。もしもそうなったら、さすがに「一時的な悪化」とはいいづらくなるだろう。それとも、いよいよ今回のNFPは寒波という特殊要因を除くと、景気回復が続いていることを確認することになるのか。

 どちらにしても、米金利に待望の方向性が出てくる可能性がありそうだ。そうなると、株にも方向性が出て、そして為替、ドル/円にも方向性が出てくる可能性がある。

 問題は、米金利と米株の順相関関係は異例であり、それがこの先も続くのか、それとも逆相関に変わる可能性もあるのかということ。米金利低下が、景気回復の変調を受けたものなら、順相関で米株も下落に向かう可能性が高いのではないか。

 では、景気指標悪化が一時的に過ぎなかったとなり、米金利上昇再開になった時も順相関で米株高になるのか。昨年後半以降の米金利上昇局面では、米株は逆相関と順相関の2パターンに大別された。

 昨年8月から約1か月で2.5%から3%へ米長期金利が急上昇となった局面では、米株は逆相関で反落に向かった。一方、昨年11月から約2か月で同じく2.5%から3%へ比較的緩やかな米金利上昇となった局面では、順相関で米株も上昇した。

 以上を参考にすると、米金利が上昇に向かった場合の株との関係は、スピードによって変わる可能性があるのかもしれない。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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