2月に入ってから、「アベノミクス見限り説」がじわじわ広がり始めたようだ。最も一般的に読まれたのは、2月10日付け日経新聞の以下の記事だったのではないか。


◆「安倍トレード」と「120日線トレード」



吉田 恒「ヘッジファンドのジョージ・ソロス氏が日本株を売り仕掛けている」――そんな噂が先週の海外市場では繰り返し話題になった。その話には「ダボスで安倍首相に会って、見限ったらしい」との尾ひれもついた。

 では、この記事を前提にした場合、なぜソロスは日本株売りに動き、また安倍首相を見限ったのだろう。

 ソロスなどヘッジファンドを中心とした海外投資家が、アベノミクスへの期待として日本株買い本格拡大に動いたのは2012年秋とされる。それは、日経平均が120日移動平均線を大きく上回り始めたタイミングでもあった<資料参照>。

※<資料>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=590336

アベノミクス

 この120日線は、ヘッジファンドの売買転換点とされる。その意味では、2012年秋から海外投資家が日本株買い本格拡大に動いたのは、120日線との関係でもうまく説明できる。さて、その120日線を2月に入る前後から日経平均は大きく下回り始めた。そういった中で、上述のように「アベノミクス見限り説」が浮上してきたわけだ。

 以上のように見ると、ヘッジファンドなど海外投資家がアベノミクスを期待、または見限る動きは、売買転換点とされる120日線とかなり連動しているようだ。別の見方をすると、120日線を上回り「買い」シグナルになると「期待している」との後付けが、一方120日線を下回り「売り」シグナルになると「見限る」との後付けになっているのではないか。

 さて、その120日線、足元で日経平均は1万4700円程度、そしてドル円は101円程度。2012年秋のアベノミクス相場が始まってから、初めてこの120日線を本格的に下回る動きになるなら、アベノミクス見限り説も一気に拡大する可能性は注目されるところだ。

【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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