吉田 恒 2014年が始まるとき、一般的には景気回復で株高、円安といったリスクオン期待がとても多かったと思います。ところが、新興国不安などをきっかけに一時株安、円高のリスクオフが広がりました。では、なぜ景気回復でもリスクオフが広がるのでしょうか。


◆米金利の動きが手掛かりになる



 景気回復でも、株安になるとしたら、それはこれまでの米超金融緩和局面で一種の「バブル」が発生し、それが破裂する結果ということではないでしょうか。

 これまでも何度か説明してきましたが、米景気と米株の関係は、景気で説明できる範囲を大きく超えた株高になっている可能性があります<資料参照1>。それには、米超金融緩和の影響が大きかったでしょう。そうであれば、景気が回復に向かう中で、超金融緩和を見直す結果、景気回復でもバブル破裂のような株安になるということでしょう。

 またその株価の動きは基本的に為替と相関性が高い状況が続いてきました。その結果、株安になるとドル安・円高になる可能性があるのでしょう。

※<資料1>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=588677

円高

 そんな米超金融緩和での「バブル」は、米金利にも発生していた可能性があります。米金利も、景気で説明できる範囲を大きく超えた低下になっていた可能性があったわけです<資料2参照>。そうであれば、米超金融緩和見直しの中での米金利上昇は加速、「ノーコントロール」になる懸念もあるかもしれません。

※<資料2>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=588678

円高

 以上のような考え方が、景気回復でも株安、円高というリスクオフが広がる基本的な構図ではないでしょうか。景気回復局面だから、普通は株高、円安といったリスクオンの反応になってもまったくおかしくないと思います。むしろ景気回復なのに、株安、円高といったリスクオフになることのほうが、一般的には説明しづらいものでしょう。

 それが起こるとしたら、それは超金融緩和とか、「100年に一度の危機」といった超悲観論のような、「超」がつく異常な局面での異常な現象の修正ということであり、それは一般情報で説明するのが難しいものというのが普通でしょう。

 ただ、これまで見てきたことからすると、そんな現象は、基本は米金利上昇、特にそれが「ノーコントロール」懸念が出てきたときに加速しやすいでしょう。米金利の動きが重要な手掛かりになると思うのです。(了)

【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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