吉田 恒 先週後半から急激な勢いで円高、株安となりました。これはなぜで、そしてこの先どうなるかについて、今回は考えてみたいと思います。


◆突然のリスクオフへ急転換した理由



 円高、株安というリスクオフへ急反転したのは、アルゼンチンなど新興国市場の混乱がきっかけになりました。ただ、そもそも、そのようなリスクオフの材料に過敏に反応しやすい状況になっていたということが重要ではないでしょうか。

 円は記録的な売られ過ぎになっていました。経験的に、売られ過ぎが一巡し、修正が本格化すると、1か月程度で5-10%程度のドル安・円高になります。その意味では、まだ円高余力が残っている可能性には注意が必要かもしれません。

 また、「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数は、12ポイント程度という下限での推移が続いていました。マーケットが楽観論に傾斜し過ぎた状況が続いていたわけです。それは、そもそもリスクオンへの反応が限界で、リスクオフへ反応した場合、大きな動きになる可能性を示していました。

 このように見ると、円高、株安に大きな反動が入りやすい状況にあったことがよくわかるでしょう。そういった中で、新興国市場混乱は、かっこうのきっかけとなり、今回のような大相場が起こったということでしょう。ではこの円高、株安の大相場はこの先どうなるのでしょうか。

 そもそも米株は、景気で説明できる範囲を大きく超えた上昇が続いていると見ることもできます<資料1参照>。それが「バブル」で、今回の新興国混乱をきっかけに起こった動きが「バブル破裂」の始まりだとして、景気で説明できる水準まで米株が下落するなら、NYダウは1万2000ドル割れへの動きが始まった可能性があります。

※<資料1>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=575659

円高

 仮にそうだとしたら、米株は約3割の大幅下落が始まった可能性があるわけです。さて、ドル円は日経平均と強い相関関係が続いてきました<資料2参照>。米株が3割の下落が始まったとして、日経平均も同じように3割の下落になるなら、1万2000円に向かう見通しになります。ドル円との相関関係に著変がないなら、90円の円高に向かう動きが始まった可能性があるわけです。(了)

※<資料2>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=575662

円高
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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