吉田 恒 2014年は株安での幕開けとなりました。これは一時的なのか、それともさらに広がる可能性はあるかについて、今回は考えてみたいと思います。


◆株高が続くのか、それとも「バブル破裂」なのか!?



 FRBは昨年12月に緩和の縮小の開始を決定、つまり超金融緩和見直しに動き出しました。これは、景気への警戒モードが一段落し、先行きの景気回復にも楽観的になっていることを示しているでしょう。

 では、景気回復が続くなら、リスク資産を選好するリスクオン取引が一段と広がり、代表的なリスク資産である株価は上昇傾向が続くのでしょうか。ただ、最近の米株高は、すでに景気で説明できる範囲を大きく上回る動きになっている可能性がありそうです<資料1参照>。その意味では、景気回復が続くから株高が続くとは限らないでしょう。

※<資料1>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=570139

米株
 それどころか、最近の景気での説明できる範囲を超えた米株高は、2007年の住宅バブルと総括された局面に似ています。これを見ると、最近も「米株高バブル」の不安すらあるのではないでしょうか。だとすると、景気回復が続く中でも、バブル破裂で株急落に向かう可能性すらあるのかもしれません。

 ちなみに、最近会った著名なチャーティストは、NYダウは歴史的な高値圏にあり、数週間以内に本格的な下落局面が始まると、1万1000ドル程度まで下落する可能性があるのではないかとの見方を示しました。<資料1>が示す米景気との関係で正常化するNYダウの水準と一致する見方というのは、ちょっと気になるところです。

 それにしても、なぜ米株は、景気で説明できる範囲をこれほど超える上昇が続いてきたのでしょうか。2011年暮れからのNYダウ上昇の動きを説明できるのは、欧州への信用改善の動きです<資料2参照>。欧州債務不安などユーロ危機とされた動きは、2011年暮れから2012年夏にかけて一巡、反転が続いてきましたが、それは米株上昇とかなり重なる動きだったのです。

※<資料2>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=570140

米株

 以上からすると、景気で説明できる範囲を超えた米株高は、世界経済悲観論の主役になった欧州債務不安が一段落し、悲観論の修正が広がることを受けた結果と考えられます。そんな欧州への信用回復は、欧州債務不安が始まった2010年初めの水準まで戻ってきたことからすると、すでに行き過ぎた悲観論は是正された可能性があります。

 上述のように、米株高が、欧州を主役に展開した行き過ぎた悲観論修正を受けた動きであり、その悲観論は是正されたということなら、米株高がさらに続くかは微妙でしょう。ましてや、そんな米株高は、景気との関係では行き過ぎた動きであり、「バブル」の可能性もあるものなのです。

 以上のように整理してみると、年明けから株安スタートになった動きは一時的ではなく、むしろ株安が一段と広がる前兆の可能性もありそうなので、要注意ということなのかもしれません。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」(https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/)の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。