吉田 恒 ドルは対円で、これまでの最高を更新し、昨年暮れまで9週連続で陽線(ドル高)引けとなった。こうなると、一般感覚でも、そろそろドル反落期待が強くなりそうだ。それにしても、最近のドル高からドル安への転換には、1週間で1円前後以上といった具合に、ある程度目立ったドル反落が必要だったようだ。


◆週足チャートで値動きに注目



 ここ数年の短期的なドル高からドル安への転換として代表的な例は、2011年4月、2012年3月、2013年5月などだろう。2011年4月とは、「3・11」、大震災後の円急騰に対し、G7協調介入が実現したことに伴うドル急反騰が転換した局面。そして2012年3月は、予想外の日銀インフレ目標導入に伴う円急落が転換した局面。そして2013年5月とは、まだ記憶に残る、昨年の「安倍円安」を一時的に急波乱が急襲した局面だ。

 ところで、以上の3回のドル高・円安からドル安・円高へ転換した局面では、すべて週足の実体幅が1円以上といった比較的大幅なドル陰線引けが起こっていた。週足の大幅なドル陰線引けとは、渦中でもドル高からドル安への転換が実感しやすいものだったのではないか。

円高

 ドル高・円安の動きが長くなればなるほど、一般感覚でも基調転換への期待、警戒が強くなりやすいだろう。ただ、えてしてそういった局面では、いわゆる「踏み上げ相場」に陥り、逆に基調転換を後ずれさせやすい面もある。

 上述のように、過去の代表的なドル高・円安からドル安・円高への基調転換は、それが短期的な場合でも、週足で1円以上といった比較的目立つドル反落が起こっていたのである。その意味では、手掛かりは値動きそのものなのかもしれない。

 ちなみに、中期の円安から円高への基調転換として、最近の例は2007年6月だったが、この時も基調転換直後に、ドルは週足で1円弱といった比較的大幅な陰線引けが起こっていた。

 上述のように、ドルは対円で昨年暮れまで9週連続の陽線となり、すでに記録的なドル高・円安の連続となっている。また、CFTC統計によると、円売り越しは、12月24日現在で14万枚超と、2007年以来の高水準に拡大していた。

 こういった中では、一般感覚でも短期的な円安から円高への転換に対する期待や警戒感が強まりがちだろう。ただそういった感覚が、逆に基調転換を遅らせる影響をもたらすことが少なくない。それを経て、実際に基調転換が起こる目安は、比較的大幅なドル反落が手掛かりになりそうだ。(了)

◆1月の会場及びWEBセミナーのご案内
12日=「M2J全国セミナー・大阪」
13日=「M2J新春プレミアムナイツ・セミナー(会場&WEB)」
15日=「M2JFXアカデミア予測編講義」

【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。