植草一秀氏安倍政権が発足してから満1年。日経平均株価はリーマン・ショック以前の高値に接近し、日本経済再浮上への期待は強まっている。'14年に日本経済の完全復活はなるのか。カギを握るのは、安倍政権の政策修正なのだが……


◆'14年は4度目の浮上チャンス!日本経済の本格浮上に必要な軌道修正とは?


(政治経済学者 植草一秀氏)
 小泉純一郎氏が首相を辞任したのが'06年。この年に首相に就任したのが安倍晋三氏だった。

 しかし、第一次安倍政権は1年の短命で幕を閉じ、'06年以来、内閣総理大臣の交代は年中行事と化してきたわけだが、ついに'13年は総理の交代のない年になった。

 '12年12月16日に発足した第二次安倍政権は足かけ3年目に突入。安倍政権はロケットスタートと銘打ち、たしかに、政権発足直後の半年間の株価飛躍は目を見張るものになった。久々に薄日が射し込むなかで、'14年を迎えたと言える。

 新年の高揚感とともに期待は膨らむ一方だが、'14年の日本経済は前門の虎と後門の狼に挟まれることになる。4月からは消費税率が5%から8%に引き上げられ、社会保障費負担と合わせると国民負担は9兆円に拡大する。

 しかも、財政のブレーキはこれだけにとどまらない。

 日本経済の大きな安心材料になっていた経常収支の黒字が赤字基調に転落する兆しがはっきりと見え始めてきた。新春気分にどっぷり浸かりたいところだが、そうも言えない状況なのだ。


◆浮上チャンスを潰す財務省の超緊縮財政策


 日本経済がバブルの絶頂から転落し始めて24年の時間が経過した。すでに中堅の人材までが、右肩下がりの時代しか経験していないことになる。日経平均は'89年末が3万8915円だったが、24年経過した今なお、約3分の1の水準に低迷したままだ。

 この24年間を振り返ると、日本経済が再浮上のチャンスを迎えたことが、実は今回を含めて4回ある。いずれも、大いなる期待が日本を包んだ局面だった。

 しかし、過去3回は、いずれもそのチャンスを生かすことができなかった。1度目の'96年、2度目の'00年の浮上チャンスは、財務省が主導した性急な超緊縮財政が潰し、3度目は米国発の金融大波乱であるサブプライム金融危機によって、破壊されてしまった。

⇒【後編】に続 http://nikkan-spa.jp/561337


【選者】植草一秀氏
シンクタンク主席エコノミストなどを経て、現在はスリーネーションズリサーチ(株)代表取締役。ブログは「植草一秀の『知られざる真実』」。近著に『日本経済撃墜-政策逆噴射の恐怖-』(ビジネス社)がある