吉田 恒氏 ドルは日米生産者物価の購買力平価を10%以上も上回り、少なくとも1980年代半ば以降では購買力平価を最も上ぶれたドル高・円安となっていた。そしてそんな円安は、投機筋の円売り越しがCFTC統計で10万枚を大きく超える記録的な円売りにより実現したものでもあった。それでも、記録的な米株高が続く中で、米国内はドル高・円安に寛容との見方が少なくなかったものの、そんな米株高は米景気で説明できる範囲を超えていた――。

 これは、最近の円安、株高について説明したわけではない。円安が124円まで進み、NYダウが1万4000ドルの当時の史上最高値まで上昇した2007年の金融市場について説明したものだ。

 それにしても、そんなふうにあえて断らなければならないほど、実はこのように説明してみると、最近の円安と株高を取り巻く構図と、2007年は結構似ている。上述のように、2007年は124円まで円安が進み、NYダウは1万4000ドルといった当時の史上最高値まで上昇したが、その後は急激な円高、株安へ転換するところとなったが、今回は?


◆2007年は円安、株高の「バブル」、今回は違うのか?


 2007年はそんな円安のピークで、上述のようにドルは購買力平価を最大12%程度の上ぶれとなった<資料1参照>。実は、最近104円を大きく超えるドル高になっている中で、購買力平価の上ぶれ率はまさに12%程度まで拡大してきた。

※<資料1>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=560347
<資料1>

 また、2007年、そんな124円までの円安が実現する中で、CFTC統計の円売り越しは18万枚という当時の最高記録に拡大した<資料2参照>。一方、最近の円売り越しも13万枚まで拡大、そんな2007年以来になる10万枚を大きく上回る動きになっている。

※<資料2>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=560400
<資料2>

 ところで、最高値更新で米株高が展開した点も2007年と最近の類似点だが、ともに代表的な米景気指標の一つであるISM製造業景況指数との関係を見ると、よく似た形で、景気での説明できる範囲を超えた株高になっている<資料3参照>。

 そして、2007年の米株高は、今からの総括では、住宅バブル、信用バブルの結果であり、その後2008年に入ってからサブプライムショック、リーマンショックなどで暴落に向かうところとなった。では、米景気との関係が、そんな2007年の構図とよく似ている最近の米株高はこの先も大丈夫なのか。2014年にかけて、そんな2007年との類似性が試されることになりそうだ。(了)

※<資料3>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=560401
<資料3>


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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」(https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/)の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。