消費税増税が来年の4月に行われ、税率は8%に引き上げられる。そして、'15年には10%へ。かねてから増税には反対の意思を示していたぐっちーさん。いま一度、その過ちを指摘し日本経済に警鐘を鳴らす。


◆消費税増税で景気が良くなるなんておめでたい発想だ!


(現役金融マン ぐっちーさん)

ぐっちーさん 間違った政策・アベノミクスのから騒ぎのせいで、我々庶民は本当に苦しい立場に追い込まれています。株価の上昇によって儲かったのは一部の資産家のみ。証券優遇税制が終了することもあり、ソフトバンクの孫さんは自社株3000万株を売却。法律違反ではありませんが、場外で自分の子会社に買わせて、しめて2300億円。節税額だけで100億円以上というのだから恐れ入ります。

 サイバーエージェントの藤田さんも46億円強の売却益を得ているし、この株価の値上がりの中で自社株を売った創業者は多い(今年の上期だけで前年同期比70%増)。さらに鳩山さんのような古い創業者一族も入れれば大変な利益増で、高額商品が売れるのも当然でしょう。

 一方、我々を取り巻く状況は……。円安による輸入物価高で日常生活品は値上がりの嵐で、原油、灯油から食料品に至るまで枚挙にいとまがない。これは中小企業も直撃で日本の輸入総額を70兆円と見ると20%の円安によるコスト増は14兆円相当。先日の貿易統計でもあきらかなように輸出量(金額ではない!)は全く増えていません。

「円安で輸出ドライブがかかって景気が良くなる」と言っていたのはどこの誰でしょう。すでに9月から厚生年金保険料が上がり、復興税で所得税、地方税とも一時的だったはずのものが恒久的に引き上げられました。年少扶養控除は廃止。児童手当は減額、これだけでも大変なのに今度は消費税が「子育て世代」を直撃するのですよ。これで本当に景気が良くなると信じているなら相当おめでたい、と言わざるを得ません。GDPの60%を占める個人消費がわずか0.1%増なので当然ですが、7-9月期のGDPも年率1.9%と伸び率が低下。これに消費税のインパクトが加わったら消費はどうなってしまうでしょう。

⇒【後編】「増税で税収が上がった先進国は一つもない」へ続く
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【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウからブログを執筆するアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している