みずほ問題が他の金融機関に波及している。新生銀行子会社のアプラスや三菱東京UFJ銀行傘下のジャックスなどでも問題融資が発覚したのだ。3大メガバンクへの立ち入り検査を実施した金融庁の思惑を探る


◆業務改善命令から一転、3大メガバンクへの立ち入り検査を実施した金融庁の思惑
(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏)



 みずほ銀行は傘下のオリエントコーポレーションを通じて反社会勢力に融資していた問題で、10月28日に新旧役員ら54人を処分し、業務改善計画を金融庁に提出。佐藤康博頭取は報酬を半年間、全額返上するだけでその地位に留まった。

 ところが金融庁は11月5日から、3大メガバンクに急遽立ち入り検査を開始。特にみずほ銀行に対しては増員して徹底的に検査しているため、結果によっては追加処分となるかもしれない。

 報道だけ見ていると奥深い思惑が伝わってこないので、紙面の許す限りで説明したい。

 まずこの問題は、9月27日の業務改善命令で「終わる」はずだった。あくまでも現場の問題意識の欠如によるもので、歴代を含むトップのあずかり知らぬ問題として「終わる」はずだった。

 なぜなら反社会勢力との取引は、銀行本体だけでなく、傘下の信販会社や消費者金融会社も含めると調べれば調べるほど出てくるはずだからである。これは意識的に取引しているという意味ではなく、資金決済や貸し付けなどの信用創造ができるのは銀行だけなので、反社会勢力に流れる資金も銀行から出ていることになる。

 銀行と反社会勢力の関わりは、第一勧銀が総会屋に460億円もの融資を行っていた事件などが有名だが、普段はあまり表に出てこない。反社会勢力が非合法の経済活動で資金を得ても消費者金融で資金を借りても、銀行が自覚しているかどうかの違いだけで、元をたどれば資金はすべて銀行から出ていることになるからだ。つまり問題にすればするほど収拾がつかなくなってしまうのである。

⇒【後編】に続く http://nikkan-spa.jp/515383989425

【選者】「闇株新聞」氏
闇株新聞'10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に'11年10月の「オリンパス事件」と'12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事をアップして話題に。'12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。今年4月には『闇株新聞 the book』を上梓