積極的な広告展開で目を引いた「いつかはゆかし」の事業会社、アブラハム・プライベートバンクが、ファンドの無登録販売を理由に業務停止処分を受けた。怪しい投資商品の被害に遭わないためにはどうすればいいのか、専門家に聞いてみた。

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◆少額の詐欺は30~40代の被害者も多い



木村光伸氏 アブラハム社の場合、実際に海外ファンドでの投資が行われているので詐欺にはあたらないが、世の中には怪しい投資商品や詐欺が横行している。法律事務所オーセンスの木村光伸弁護士は、「投資詐欺は年々巧妙化し、増加の傾向にある」と警告する。

「悪徳業者は騙すことを前提に、巧みなセールストークや豪華パンフレットで投資家の目をくらませます。警察庁発表の検挙数は減っていますが、これは事件が減っているのではなく巧妙化で検挙が難しくなっていると考えられます」

 最近の主な手口は、未公開株の極秘情報を教えるという未公開株詐欺や、FX取引を任せて資産を増やす、といったふれこみで資金を集めるFX詐欺が多いという。

「一回で終わりではなく、たまたま運用に失敗したなどと言って、数回にわたってカネを出させるケースが多い。被害者も『家族に損を出したことを知られたくない、なんとか損を取り返したい』という心理が働き、さらにお金をつぎ込んでしまうのです」(木村氏)

 以前であれば、こうした被害に遭うのは高齢者と相場が決まっていたが、最近はそうとも言いきれないようだ。

「敏腕ディーラーにFX取引を任せるといった詐欺は、実際にFXでうまくいかなかった人が被害に遭う例がみられます。上手な人が取引すれば大儲けできるのではないか、という心の隙を突かれてしまうのです」(金融ジャーナリストの鈴木雅光氏)

 最初のうちは配当金を振り込んでおいしい思いをさせることも多く、そうすると口コミでさらに被害が広がってしまうのだという。

「ありえない利回りを提示されれば怪しいとわかりますが、最近は年利7%といった現実的な数字を謳うファンドもあり、騙されやすくなっているようです。『いつかはゆかし』のように、フェイスブックなどの交流サイトやウェブを活用して集客する例が増えると、若い人の被害はさらに増えることも考えられます」(同)

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【木村光伸氏】
弁護士。弁護士法人・法律事務所オーセンス所属。消費者トラブル等の一般民事事件から不動産法務等の企業法務まで、ワンストップ型のリーガルサービスを提供している

【鈴木雅光氏】
金融ジャーナリスト。ジョイント代表。証券会社勤務を経て、公社債新聞、金融データシステムにて記者。著書に『買ってはいけない金融商品のからくり

― 怪しい投資商品を見抜く方法【2】 ―