積極的な広告展開で目を引いた「いつかはゆかし」の事業会社、アブラハム・プライベートバンクが、ファンドの無登録販売を理由に業務停止処分を受けた。怪しい投資商品の被害に遭わないためにはどうすればいいのか、専門家に聞いてみた。


◆年利10%&月5万円で1億円!?



積み立てサービス「いつかはゆかし」,アブラハム・プライベートバンク「1億円は貯められる」というキャッチコピーに心を動かされた人は、少なくないだろう。積み立てサービス「いつかはゆかし」を展開するアブラハム・プライベートバンクが金融庁から6か月の業務停止処分を受けた。

「アブラハムは英国マン島に本拠を置くハンサードという海外ファンドを顧客に紹介。この投資助言に対して、顧客から預かり資産の1%の手数料を取っていましたが、実際には海外ファンドから紹介料も受け取っていた。それが『海外ファンドを無登録販売していた』として、金融商品取引法に抵触したわけです」

 そう語るのは金融ジャーナリストの鈴木雅光氏。

「『月5万の積み立てを30年続けると1億円』という宣伝文句にも、誇大広告の疑いが持たれています。これを実現するには、手数料などのコストを差し引いたうえで年利10%を複利で運用し続ける必要があり、まずありえない数字です」

 2800人の顧客と170億円に及ぶ契約残高の行方だが、契約を継続する人はいいが、解約して即座に返金するのは難しいという。

「アブラハムが勧めていた海外ファンドは、運用開始から2年以内に解約すると1円も戻ってこない決まりなので、解約したくてもできない(ゆかしの販売開始は昨年10月)。さらに、同社が倒産することになれば、自分で海外ファンドと英語で解約のやり取りをしなくてはならないのです」(鈴木氏)

⇒【次回】「若者がカモられる投資詐欺とは?」に続く
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【鈴木雅光氏】
金融ジャーナリスト。ジョイント代表。証券会社勤務を経て、公社債新聞、金融データシステムにて記者。著書に『買ってはいけない金融商品のからくり』

― 怪しい投資商品を見抜く方法【1】 ―