アベノミクス相場で回復基調にある東京市場では減少の一途をたどってきた公募増資も回復基調に。1~8月の8か月間ですでに昨年1年間の増資額を上回っているという。だが、そこにはカラクリが……。闇株新聞がその裏側を明らかにする。


◆'09年以降、減り続けた公募増資が増加に転じた本当の理由


(有名ブロガー「闇株新聞」氏)

 10月1日に安倍首相が正式に来年4月から消費税を8%に引き上げると発表しました。アベノミクスによる日本経済の回復に自信を深めているようですが、日本経済の活性化にはエクイティファイナンスの本格的な回復が不可欠です。

 エクイティファイナンスとは、公募増資だけでなく新株予約権付き社債、優先株、株主割当増資、新株予約権の行使などが含まれます。上場企業が資金調達をして設備投資や財務体質改善を行い、株式市場が新たに発行される株式の売り圧力を吸収して上昇を続けて、初めて日本経済が本格的に活性化していると言えるのです。

 その大部分を占める国内の公募増資は、'09年が4兆9668億円、'10年が3兆3089億円、'11年が9678億円、'12年が4517億円と「激減」しています。これでは日本経済が回復していると言えるはずがありません。

 ただし、その急減の背景には、当局がブレーキをかけていたことがあります。増資インサイダーが数件摘発されたことを受けてのことですが、それでもってエクイティファイナンス全体にブレーキがかかり、株式市場のエネルギーを奪っていたなら日本経済にとって大きなマイナスだったはずです。

 それでは安倍内閣発足後、状況は改善されたのでしょうか? 本年1~8月の公募増資は6938億円です。確かに増資額は増えつつありますが、今年7月にJトラストが大型ライツイシューで調達した976億円を加えてもまだまだ本格回復とは言えません。

⇒【後編】『「訳あり」の大型公募増資が増えている?』に続く
http://nikkan-spa.jp/519425


【「闇株新聞」氏】
闇株新聞'10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に'11年10月の「オリンパス事件」と'12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事をアップして話題に。'12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。今年4月には『闇株新聞 the book』を上梓