吉田 恒「ポスト・バーナンキ」、次期FRB議長に就任する見通しになってきたイエレン副議長は、バーナンキ以上の「超ハト派」と一般的に報道されているが、一部の専門家からそれに対する異論も上がっている。特に、2007年の住宅バブルに伴う米株高バブルに対して、警鐘を鳴らすとともに、利上げを主張したこともあったとされる。このため、「資産バブルの懸念があれば、緩和規模の調整を躊躇うことはないだろう」(専門家)とされる。


◆「オバマ不支持」次期FRB議長の不安



 イエレン氏は、2004年にサンフランシスコ連銀総裁として、米金融政策を決定する会合であるFOMCに参加、そして2010年にはFRB副議長に就任した。ちょうど、この間に、2008年サブプライムショック、リーマンショックなどを受けた住宅バブル破裂、金融危機への突入となったわけだ。

 こういった中で、「サンフランシスコ連銀総裁時代は、2008年の金融危機の数年前から不動産市場のリスクについてたびたび警鐘を鳴らしていた」とされる。最近の米株と米景気の関係は、そんな金融危機前、「住宅バブル」とされた状況とよく似ているようだ(資料参照)。そうであるなら、ハト派で米株高を懸念していないかは疑問だ。

⇒【資料】はこちら http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=521621

FRB,バーナンキ,イエレン それとは別に、イエレン「新FRB議長」で懸念されるのは、「オバマ大統領の支持が十分ではないFRB議長」(米国専門家)が白日の下になってしまったということ。これは、歴史的な超金融緩和の修正を始めるといった前代未聞の仕事を始めるFRBにとって、微妙に深刻な影を落としかねない懸念がある。

 以上のように見ると、「イエレン新FRB議長」誕生を前後し、金融市場が新「ドルの番人」への信認の動揺をきっかけに混乱に向かう、「イエレン・ショック」の可能性はやはり頭に入れておく必要があるのではないか。(了)

【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。