消費税増税による国民負担の増加は、原発再稼働とオリンピックの経済効果で十分にカバーできると藤沢数希氏は主張する


◆消費税増税分の景気対策は原発再稼働とオリンピックで。原発事故のことは汚染水と一緒に水に流そう

(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)


藤沢数希氏 安倍首相は予定通り消費税率を引き上げることを決断した。これは社会保障費の財源を賄うためにやむをえないだろう。しかし、この程度の国民負担増は、原発再稼働と東京オリンピックの経済効果で十分補える、というのが僕の見立てだ。今、霞が関の官僚と族議員が消費税増税分の景気対策と称して、5兆円程度を自分たちの利権団体などにバラ撒こうと舌なめずりしているが、そんなことをするんだったら最初から消費税など上げなければいい。

 ざっくり言って年間8兆円の国民負担が増えるのだが、まずは原発再稼働である。これで年間約4兆円節約できる。原子力の発電コストのほとんどは発電所の建設費用で、燃料費自体は非常に安い。一方で、火力はその発電コストの8割以上が燃料代である。つまり、事故を起こしていない原発を全部止めて、老朽化した火力発電所をフル稼働してしのいでいる現在の状況は、ローンで買ったマイホームを空き家にして賃貸に住んでいるみたいなもので、発電コストが2倍になっている。国民1人当たり3万円、一家で約12万円の負担だ。これはすべて電気代に転嫁されるわけだから、消費税以上に逃れられない。

 さらに、消費税は国内での所得移転だが、燃料代は中東などの産油国に出ていくだけなのだ。文字通り、毎日100億円以上の国民のカネを燃やしているのである。

 オリンピックの経済効果はさまざまな試算があるが、外国人観光客などが増えることとインフラ整備の公共事業でかなりの景気対策になりそうだ。仮にこの分を1兆円とすると、原発再稼働の4兆円と合わせれば5兆円になるので、残りは3兆円だ。この程度ならアジアの中で飛び抜けて高い法人税率をちょっと下げるだけで補える。

⇒【後編】に続く「放水口で検出される放射能はバナナ以下」 http://nikkan-spa.jp/515495

【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは8万人に及ぶ。最新刊『外資系金融の終わり』(ダイヤモンド社)が発売中