吉田 恒氏 ドルが足元95円程度の日米卸売物価基準の購買力平価よりドル高・円安で推移することが多くなっています。この購買力平価は、かつてはドル上限でした。それよりもドル高・円安が継続的に起こっているのは、短期的にはともかく、構造的にドル高・円安の限度が変化している可能性を示すものではないでしょうか。



◆日米の経済構造変化を反映


ドルは、1980年代から2000年代にかけて、日米輸出物価基準の購買力平価をドル下限に、そして生産者物価基準の購買力平価をドル上限とした範囲内での変動が基本となってきました。しかし、日米経済の構造変化を受け、そんなドル円変動レンジは、徐々にドル高・円安方向へシフトしているようです。

ちなみに、日米生産者物価基準の購買力平価は足元で95円程度(<資料>参照)。つまり、これまでの感覚からすると、それよりドル高・円安で推移する最近の動きは、「オーバーシュート」の可能性があるのですが、現実的にはそれがむしろ自然な感じになっています。これは、短期はともかく、中長期的にはドル高・円安の限度がシフトしている可能性を示しているでしょう。

※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=503217
<資料>

日米生産者物価基準の購買力平価よりドル高・円安の数値になるのは、消費者物価基準の購買力平価です。それは足元で125円程度。今回のドル高・円安トレンドの中でそれが実現するかはともかく、今後の中長期の方向性としては、生産者物価基準の購買力平価と消費者物価基準の購買力平価がドル円の上下限になっていく可能性があるのかもしれません。

それを足元で確認するなら、95-125円中心に、今後5-10年のドル円は推移していくといった見通しになるのですが、果たしてどうでしょうか。(了)


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。

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