吉田 恒氏 ドル高・円安は、5月の103円で一息ついてから一進一退が続いてきました。ただ、経験的に中期トレンドに対し「ダマシ」が少ない52週移動平均線は90円を大きく上回ってきました(※<資料>参照)。これは、中期ドル高・円安トレンドに変化がないなら、ドルは下がっても90円を大きく、長く割れない可能性が高くなっていることを示しているのですが、果たしてどうでしょうか。


◆中期トレンドで「ダマシ」の少ない52週線の示唆


 52週線は、経験的に中期トレンドに対して「ダマシ」が少ない移動平均線です。例えば、中期ドル高トレンドなら、大きく長く、52週線をドルは下回らないということです。大きく長くとは、経験的に1か月以上、5%以上といった目安です。

※<資料>「52週移動平均線」はコチラ
⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=499293

<資料>

 さてその52週線、ここに来て90円も大きく上回り、足元では91.5円程度まで上昇してきました。その意味では、もしも中期ドル高・円安トレンドが、あの5月103円でまだ終わったわけでないなら、ドルは調整的な反落でも、91.5円を1か月以上、5%以上も下回る可能性は低いということになるわけです。

 つまり、一時的なドル急落となっても、最大で87円程度、またそんなふうに90円を下回るドル安・円高の滞空時間は限られるという見通しになるわけです。

 逆にいえば、この52週線を大きく長くドルが下回るようなら、それは調整のドル反落ではなく、すでにドル高・円安は5月103円で終わり、中期ドル安・円高トレンドに転換した可能性を示すことになります。

 こんなふうに、この52週線を参考にする場合は、中期トレンドを仮定するとよりよいかもしれません。では中期トレンドはまだドル高・円安が続いているのでしょうか。「アベノミクス=円安」論は一頃に比べて静かになりましたが、一方で米超金融緩和見直しに伴う米金利大幅上昇との見通しは一般化してきたのではないでしょうか。

 ドルの金利がまだまだ上がるというなら、やはり中期的なドル高・円安はまだ終わっていない可能性が高いのではないでしょうか。そうであれば、ドルは下がっても52週線を大きく長く割れない範囲にとどまり、そして一段の上昇に向かっていくということになりそうですが、果たしてどうでしょうか?(了)

 
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。

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