世界中でポーカーがブームになった要因の一つにオンラインポーカーの成長がある。最大手の「Poker Stars」の会員数は2000万人といわれ、いつでも好きなレートのテーブルを見つけて参加することができ、トーナメントの規模、種類も豊富だ。

「理論的にはオンラインのみでも能力・スキルは十分向上できます。もちろん顔の見えない相手なので、実際に表情や仕種を観察してブラフ(嘘)を見抜く能力は向上しませんが、実はライブゲームでも、このような能力を持っている人を見たことがないので大丈夫だと思います。プロでも私のバレバレのブラフを見抜く人には会ったことがありませんから(笑)」(シマダ氏)

オンラインは進行が早いのも特徴。ライブでは1時間30~40ハンドしかこなせないのに対し、1時間あたり100ハンドをこなすこともできる。ハンドの履歴などもリプレイ画面で確認できるので、記憶力の悪い人でも簡単にプレイの復習をすることが可能だ。

「PokerStrategy」というサイトでは20軒近くのポーカールームが紹介され、入会ボーナスの獲得方法なども日本語で解説しているので、ぜひ活用してほしい。

プレイするうえでの注意点は、「キャッシュゲームは極力避けて、トーナメントをプレイ」ということ。というのも、各プレイヤーのベット・レイズ傾向を丸裸に解析するような有料ソフトが出回っており、テーブルが固定されたキャッシュゲームでは標的にされる可能性もあるからだ。トーナメントなら、その危険を避けることができる。







 
【シマダ氏】
08年よりWSOPなど海外トーナメントで活躍。海外のポーカー書籍の翻訳、ポーカー戦略について解説したブログ「ポーカーの高速道路とけものみち」(http://d.hatena.ne.jp/shimadajp


一般論より絶対論オリジナル定跡を作れ!



ポーカースキルの上達に必要なのは、プレイの“量”よりも“質”であることは、これまで述べてきたとおりだが、結果を残したプレイヤーは、どのように技術を習得したのだろうか?

「実戦と復習をひたすら反復すること……これに尽きます。僕のケースでいうと、週3、4回のペースで仲間と集まってシット&ゴートーナメント。プレーが終わるたびに、ハンドを公開して、個々のベットアクションについて意見を述べ合うということを繰り返しました」

そう語るのは、’08年APTマニラで3位に入賞、約1000万円の賞金を獲得した、ポーカーアナリストの石井カイジ氏。「ポーカー教則本に書かれている定跡は間違ってはいませんが、重要なのは、プレイを重ねるうえで気づいた自分の性格やスタイルから生じた“自分の傾向”を見つけ、それを書き留めておくことです」

石井氏のポーカーノートを覗くと、【12/25 オールインはするものじゃなくてさせるもの】、【2/24 将来に期待するコールは禁物、絶対にこない】などと、禅門答のように苦悶している様が窺える。

苦心のすえに石井氏が自作したのが、下のトーナメント戦術10箇条。ポーカーに勝つために必要なのは、一般論ではなく、自分なりの絶対論であることは間違いないようだ。

自作トーナメント戦術10箇条
1.コールするなら、レイズしろ。ポジションが悪くコールで入るならば、レイズされても良いハンドでコールする。

2.残った人数からアベレージを算出し、自分のチップ量を計算する!

3.最初に強いカードで勝ったら見せて「コイツはツキがある」と相手に思わせれば、後のブラフで勝ちやすい!

4.自分に流れが来るまではブラフするな。流れが来てチップが増えたら、完全ブラフではなく、セミブラフで勝て!

5.勝つ可能性が低いならば、出したチップ量が多くとも、それを捨てる心が後の勝利に繋がる!

6.負けた後こそ慎重に。チャンスは必ず訪れる!

7.プリフロップよりも、フロップ後のほうが人間は降りやすい。プリフロップのブラフは布石と思え!

8.将来に期待する無駄なコールは自分の死期を早めているだけだ!

9.良いハンドのときほど慎重に。飛ぶヤツは早めにオールインしてしまう。

10.ポーカーはチップで会話する競技だ!

 
【石井カイジ氏】
ポーカーを覚えた半年後にAPTマニラ3位入賞。決勝戦の模様はテレビ放映され、唯一の日本人として孤軍奮闘する姿が反響を呼んだ