毎年6月、ラスベガスで開催される世界最大のポーカーイベント・WSOPのメインイベントの優勝賞金は10億円を超え、参加費(1万ドル)を支払えば誰でも本戦に参加ができ、ミリオネアの夢を追うことができる。「WSOPのみならず、ラスベガスをはじめとする世界各地で、ポーカーのトーナメントイベントが開催されています。それらのトーナメントに出場し、生涯獲得賞金が1億円を超えるプレイヤーは700人以上います」

そう語るのは、『トーナメントポーカー入門』の著者・シマダ氏。自身もヨーロッパを中心に世界中のポーカートーナメントに出場。直近の利益率(参加費に対する賞金総額の割合)は1000%を超えている、日本屈指のプレイヤーだ。

「一口にポーカーといえばギャンブルのイメージが強いでしょうが、スキルを磨けば確実に勝てるゲームです。①様々なアクションから相手のハンドを読むリーディングの技術、②勝っているハンドで利益を最大化するベット・レイズを行う技術、③リスク・リターンを分析して数学的にも最適な戦略を取る確率の知識。これらを鑑みると、投資で利益を上げる技術に酷似しているともいえます」

ポーカーと投資の類似性については、行動金融学のブランドン・アダムズ氏(米・ハーバード大)も、以下のように語っている。「ウォール街でトップトレーダーになれるチャンスが大きいのはプロのポーカープレイヤーである。リスク判断、決断力。トレーダーで成功するための必須能力を兼ね備えているからだ」

適切なスキルを磨けば世界を舞台に稼ぐことも可能。次回より、その基本戦略について解説していこう。



テキサス・ホールデム ポーカーのルール解説


本特集でいう「ポーカー」とは世界中のカジノ、トーナメント大会で最もメジャーな「ノーリミット・テキサスホールデムポーカー」のことを指す。以下、簡単にルールを解説する。基本

ジョーカーを除いた1デッキ52枚のトランプを使用。Dealerと書かれた円盤を「ボタン」といい、どのプレイヤーがディーラーかを示す。ボタンは1ハンドごとに時計回りに代わる。強制ベッドするプレイヤーを「ブラインド」といい、ボタンの左を「スモールブラインド(SB)」、さらにその左を「ビッグブラインド(BB)」と呼ぶ。仮にBBが20ドルを置く場合、SBは半分の10ドル。キャッシュゲームの場合、ブラインドの大きさは一定だが、トーナメントでは一定時間で上昇する。トーナメント終盤では全員がベットする「アンティ」(通常、BBの25%)が発生することもある。

ブラインドとアンティが徴収された後、2枚のカード(バーンカード)が各ブレイヤーに伏せて配られる。この状態を「プリフロップ」と呼ぶ。プリフロップ

プリフロップでベットする順番はBBの左(アンダーサガン)から。ベットの順番が回ってきたら、フォールド、コール、レイズを選択。コールはBBのベット額、レイズはBBのベット額の2倍が最小で上限はない(ノーリミットの場合)。ベットが出揃ったら3枚のカード(フロップ)が場に配られる。この3枚とそれに続いて配られる2枚のカードを「コミュニティカード」と呼び、ハンドの強弱は、各ホールカードとコミュニティカードを合わせた7枚から選んだ、“最良の5枚”の組み合わせで判定する。フロップ

フロップ後のベットアクションはSBから。参加しているプレイヤーの間でベットが行われる。ターン

4枚目のコミュニティカードのこと。以降、フロップと同様のベットアクションが繰り返される。リバー

5枚目のコミュニティーカードのこと。ここまでのベットアクションで、「1人のプレイヤーを除いて全員がフォールド」すれば、そのプレイヤーが勝ちとなり、ポット(場に出たチップ総額)を獲得。複数のプレイヤーが残れば「ショーダウン」となる。ショーダウン

残ったプレイヤーは自分のハンドを見せ合う。最後にベットかレイズしたプレイヤーからハンドを見せて、手の強弱を競う。



 
【シマダ氏】
08年よりWSOPなど海外トーナメントで活躍。海外のポーカー書籍の翻訳、ポーカー戦略について解説したブログ「ポーカーの高速道路とけものみち」(http://d.hatena.ne.jp/shimadajp