吉田 恒氏「夏枯れ」で静かな展開の続いていた為替が突如、円高へ動き始めました。さて、これは6月のような円急騰、株暴落に向かうのでしょうか。この動きの「影の主役」といえるのは、ヘッジファンド(HF)の「120日線トレード」のようなのです。


◆6月暴落相場の再現に向かうのか


 ヘッジファンドなどの取引を反映しているCFTC統計の円ポジションは最近にかけて記録的な円売り越しが続いてきました。この円売り越し拡大が始まったのは昨年10月だったのです。

 その昨年10月とは、ドルが120日線を大きく上回ってきたタイミングでもありました(<資料1>参照)。ただし、そんなドルも、6月に一時120日線を割り込み、さらにここに来て本格的に120日線を割れるかが試される動きになっているわけです。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=489797
<資料1>

 ドルが120日線を上回る中で続いてきたCFTC統計の円売り越し(米ドル買い越し)は、120日線をドルが下回って、円買い越し、米ドル売り越しへ向かうなら、足元ドル買い・円売りに大きく傾斜した状況の逆流の影響もあって、相当なドル売り・円買い圧力になるのではないでしょうか。

 では、もしもドルが120日線を本格的に下回ったら、どのぐらい下回るものなのか。120日線からの乖離率は経験的には最大で±10-15%程度拡大するようです(<資料2>)参照。ただそれは確率的には大きいものではありません。一方で±5%程度拡大するのは普通に起こることのようです。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=489798
<資料2>

 足元97.9円程度の120日線が今後下落していくと考えられるものの、それにしても120日線を5%程度下回るとして計算すると、93円前後のドル安・円高リスクを想定するのが基本になるのではないでしょうか。(了)

 
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。

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