吉田 恒氏 2013年も後半に入りました。そこで今回は、「2013年後半の為替を展望する」といったテーマで述べてみたいと思います。


◆日米金融政策逆方向でもドル高・円安は足踏みなのか


 結論的にいうと、年前半のアベノミクスなどをきっかけとした一直線のドル高・円安から一転して、年後半は93-103円を中心とした方向感の乏しい展開になるのではないかと考えています。

 一般的には、米超金融緩和見直しに対し、日本は異次元の「黒田緩和」が始まったばかりということで、日米の金融政策の方向性が正反対に向かう見通しの中、ドル高・円安期待は強いのではないでしょうか。にもかかわらず、105円を超える一段のドル高・円安がすぐに起こらないならその理由は何か、逆にドル安・円高が起こるなら、その理由は何かなどについて述べたいと思います。

 ドル高・円安は、5月にかけて8か月連続で続きました。このように半年以上もほぼ一直線に展開した相場が一段落した後は、次の方向性が明確に出るまでは、半年から一年以上とかなり長い時間がかかるのがこれまでは基本でした。その意味では、年後半は、5月103円をドル高値、6月93円をドル安値としたレンジ中心に、基本的に方向感の乏しい展開が続く可能性があるのではないでしょうか。

 それにしても、米国は金融緩和見直しの方向、一方、日銀は黒田「異次元緩和」に踏み出したばかりということで、金融政策の方向性が日米で反対に向かう見通しの中では、さすがにドル安・円高リスクは限られるのでしょうか。

 ただ、6月には、そういった構図の中でも一時93円までドル急落が起こりました。それは、テクニカルな観点でいえば、ドルが昨年10月下旬以来となる120日移動平均線を一時的に割り込んだ中で起こった現象でした(※資料参照)。

※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=477678
<資料>

 120日線は、ヘッジファンドの売買転換点と結果的にほぼ一致してきました。その意味では、昨年10月下旬にドルが120日線を上回り、ヘッジファンドなどがドル買い・円売りを拡大してきた結果が、5月までの8か月連続ドル高・円安を支えた一因で、その120日線を6月に一時的とはいえドルが割れたことで、ヘッジファンドなどがドル売りに転換した結果、日米金融政策などの要因が変わらない中でもドル急落が起こったということではないでしょうか。(了)

 
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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