吉田 恒氏 一時のリスク回避ムードはかなり落ち着いたようです。ではリスクへの回帰、リスクオンで5月までのアベノミクス株高、円安へどのぐらい戻るかといえば、普通はそんなに簡単ではないでしょう。


◆円安100円を正当化するのは株高1万5千円


 日経平均とドル円は一定の相関関係が続いてきました<資料1>。その関係からすると、100円を大きく超えてドル高・円安が進むためには、日経平均が基本的には1万5000円前後まで上昇する必要がありそうです。では、日経平均が1万5000円前後まで上昇することは可能なのでしょうか。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=468048
<資料1>

 <資料2>は、日経平均の90日移動平均線からの乖離率。これを見ると、乖離率が一時のプラス20%以上に拡大したところから、最近にかけて90日線割れへ急縮小していたことがわかります。要するに、最近にかけての日経平均暴落は、「異常な株上がり過ぎ」が是正される動きだったといえるでしょう。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=468049
<資料2>

 その90日線は、足元で1万3100円程度。従って、上述のように日経平均が1万5000円前後まで再上昇すると、乖離率は再びプラス10%を大きく上回り、プラス15%前後まで拡大する計算になります。

 過去の実績からすると、日経平均の90日線からの乖離率がプラス10%を大きく上回るのは、1-2年に一度あるかどうかというもの。それを前提に考えるなら、すでに5月にかけて乖離率がプラス20%以上に拡大、「異常な株上がり過ぎ」を経験したばかりで、またすぐに乖離率がプラス10%を大きく上回るということが起こるのでしょうか。

 相場は勢いづくと行き過ぎるものではありますが、それにしても普通に考えたらリスクオンの株高、円安の「復活」は簡単なことではないでしょう。(了)

 
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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