吉田 恒氏 アベノミクスが注目される中で記録的なペースで展開したドル高・円安は5月の103円で一段落となりました。では、ポスト・アベノミクス相場は、すぐに円安再燃となるのか、それとも90円へ向かうドル安・円高となってしまうのか。その「運命の分かれ道」は、どうやら現在95円程度で推移している120日移動平均線ではないでしょうか。


◆ヘッジファンドのドル円売買戦略の要


<資料1>は2010年以降のドル円と120日移動平均線のグラフを重ねたもの。これを見ると、おもな120日線のブレークは6回ありました。

<資料1>
【上図】<資料1>


 <資料2>はCFTC統計の円ポジション。これに、上述の2010年以降の6回の120日線ブレークをマークしてみると、円売りから円買いへ、またはその逆といったポジションの転換点とほぼ重なります。

<資料2>
【上図】<資料2>


 そもそもヘッジファンドの中でシステム売買を中心に取引するモデル系ファンドは、ドル円の売買で120日線を重視するという見方があったのですが、以上のように見てくると、それはある程度裏付けられそうです。

 そんなふうにヘッジファンドのドル円売買戦略を考える上で重要な鍵を握る可能性のある120日線は、足元で95円台。昨年10月下旬以来となる本格的なドル120日線下方ブレークも現実味を帯びる状況が続いているわけです。

 アベノミクスが注目される中で、昨秋以降記録的なペースで展開したドル高・円安は、5月以降最大で10円のドル安・円高に振れたことで、一つの曲がり角を迎えた形になっています。

 では、それが再びドル高・円安に向かうのか、それとも当面もっとドル安・円高に向かう可能性もあるのか。120日線攻防は、その鍵を握る一つとして注目されるでしょう。(了)

 
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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