株主総会シーズン真っ盛り。経営陣と対立する“モノ言う株主”が台頭するなか、注目されるのが西武HDvs.サーベラス。西武HDの株主総会は日本の株式市場の意識改革が進んでいるのか否かを占う格好の事例となるだろう


◆サーベラスによる西武HDTOBは「失敗」ではない!


(有名ブロガー「闇株新聞」氏)

 はじめまして。「闇株新聞」と申します。これまで私はブログ等で企業の不祥事や経済事件の裏側などについて執筆活動を行ってきました。当欄でも他のメディアと異なる視点の情報を発信していきますのでよろしくお願いします。

西武グループHPより 第1回は6月25日に株主総会が開催される西武HDを取り上げます。前身の西武鉄道は有価証券の虚偽記載(株主の名義借り)で'04年12月に上場廃止になり、メインバンクのみずほコーポレート銀行副頭取だった後藤高志氏がCEOに就任。その後、'06年1月にサーベラスが1000億円の資本増強に応じて32.44%の大株主になっていました。

 当然、再上場で売却益を期待するサーベラスですが、その過程をめぐって後藤CEOらと意見の食い違いが出始め、発言力強化のために3月からTOBによる株式の買い増しに動きました。結果、持ち株比率は35.48%まで上昇したのですが、最大目標の44.67%を下回りました。そのため、TOBは「失敗」との声が多くなっていますが、私はそうは思いません。

 サーベラスは6月25日の株主総会に、ダン・クエール元米副大統領を含む独自の取締役選任の株主提案を出していますが、今回のTOBで増えた議決権は使用できないため、もともと可決の見通しはありませんでした。最初から決戦は「株主総会後」だったのです。

 また、後藤CEOら、みずほコーポの「やり方」を決して好ましく思っていないはずの堤義明・元会長が代表を務めるNWコーポレーション(旧・コクド)が14.96%を保有しているからです。堤氏は、6月25日の株主総会では西武HDに賛同すると発表していますが、その後、例えばサーベラスが臨時株主総会の招集を要求して、仮に堤義明氏が賛同すると、合計の持ち株は50%を超えることになります。つまり、時間はかかるものの、サーベラスには「勝算」が出ているのです。

⇒【後編】に続く「株式市場の意識変革は進むのか?」
http://nikkan-spa.jp/461768


 
【「闇株新聞」氏】
'10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に'11年10月の「オリンパス事件」と'12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事をアップして話題に。'12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。今年4月には『闇株新聞 the book』を上梓