吉田 恒氏 5月の103円から、6月に入るとドル円相場は一時93円までドル安・円高となりました。なんと、ほんの1か月程度で10円ものドル安・円高。驚いた人も少なくなかったと思います。ただ、そもそもあの103円までのドル高・円安が記録的なペースで展開したものであり、93円まで戻ったところでも、まだまだ過去の平均以上のドル高・円安ペースといえそうなのです。


◆「安倍円安」で一気に「最速円安」ペースに


 2011年11月から始まった今回のドル高・円安トレンドは、先週末で84週経過した計算になります。過去4回のドル高・円安トレンドにおいて、84週経過したところでのドル上昇率の平均は23%。これに対して今回は29%だから、まだ平均を上回るドル高・円安ペースで推移しているといえるわけです<下記資料参照>

※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=461567
<資料>

 <資料>のように、今回のドル上昇率は一時30%を大きく上回ったわけですが、これは1980年代後半以降のドル高・円安トレンドの中での「最速ペース」にほぼ並ぶものでした。要するに、「安倍円安」は、一気にドル高・円安を「最速ペース」とし、最近それが円高へ急激に戻しているものの、それでもなお過去の平均を上回るペースを維持しているようなのです。

 ちなみに、過去の平均では、ドル高・円安が100週経過したところでのドル上昇率は26%でした。これを今回に当てはめると、年末にかけて95円よりドル高・円安で推移するなら、引き続き平均以上のドル高・円安が続いているといった意味になるわけです。

 こんなふうに見ると、103円まで一気に進んだ安倍円安+黒田円安、「アベクロ円安」はさすがに凄過ぎる動きだったということではないでしょうか。そして90円台前半へドル円相場は戻ったものの、まだまだドル高・円安ペースとしては、平均以上なのです。

 そもそも、「安倍円安」が始まる前の昨年夏、一年後に90円を越えるドル高・円安を予想していた人はやはり少なかったのではないでしょうか。その意味では、まだまだ一般の予想以上のドル高・円安が続いているということになるでしょう。(了)

 
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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