吉田 恒氏 100円を一時超えた円安局面では、ヘッジファンドなど投機筋の円売りが急拡大しましたが、経験的にはそれが円買いに転換する局面を迎えていた可能性が高そうです。そして投機筋が円買いへ転換すると、かなり高い確率で為替相場も円高へ転換となりました。


◆「安倍円安」も今回は劣勢


 <資料>は、投機筋の総建て玉に対する円ショートの比率を調べたものですが、このように見ると、2010年以降の4回の円売り越しピークはすべて、円ショートの比率が85%前後に達した局面だったことがわかります。

※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=459279
<資料>

 足元の円ショート比率は85%を上回ってきました。その意味では、投機筋の円売り拡大は一巡し、円買いへ転換する局面に入りつつあった可能性が高いと考えられます。では、そんなふうに投機筋が円買いに転換したら、為替相場はどうなるでしょうか。

 2010年以降のドル円のチャートに、主なドル高・円安のピークをマークしてみると、過去4回の投機筋の円売りから円買いへの転換のうち3回は、ドル高・円安からドル安・円高への転換ともほぼ一致していました。

 このように見ると、投機筋が円買いへ転換すると、さすがに為替相場も円高へ転換する可能性は高かったわけです。大雑把にいえば、その後は数か月で10%前後のドル安・円高が起こるところとなりました。今回に当てはめたら、投機円買い主導で90円を目指す円高が始まっている計算になるわけです。

 過去4回の投機筋の円買いへの転換の中で、唯一それが円高への転換と一致しなかったのは昨年12月でした。この局面では投機筋が円買いへ転換したにもかかわらず、為替はドル高・円安が一段と進むところとなりました。いわゆる「安倍円安」でした。

 以上からすると、ヘッジファンドなど投機筋が円買いへ転換した局面では、その結果、普通なら為替相場も数か月で10%程度のドル安・円高へ向かう可能性が高いでしょう。さすがの「安倍円安」も、今回は劣勢が続いているということではないでしょうか。(了)

 
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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