誰でも手に入るアイテム、中古ゲームでビッグな利益を上げている猛者がいる。志村光一氏は、ゲームをブックオフなどの新古書店や家電量販店で仕入れ、アマゾン、ヤフオクで転売している。「ゲーム転売の魅力は?」の問いに「売り上げが見込みやすく、在庫も抱えず回転率がいいことが魅力です」と、少々意外な理由を上げる。

ジャンルは多少違えども、ゲームも古本せどりと同じく、薄利多売で山ほどの在庫、そして絶え間なく発送を余儀なくされるイメージだが、志村氏のメソッドにかかれば心配は無用だ。

「狙っているのは、いわゆる“プレミアム”なゲームです。中古ゲームのユーザーはプレイヤーとコレクターに分かれますが、後者向けに狙いを定めるのが僕の手法です。たとえば初回限定品は出回っている数が圧倒的に少なく、場合によって価格も自分次第。こちらの言い値で取り引きできる“オレ様価格”を付けることもできます」

プレミアムゲームの世界とは、仕入れ値が数百円のタイトルでも数万円で売ることができるという夢のビジネスなのだ。

志村氏は、1か月に約40〜50個のゲームを販売し、月商約30万円(利益15万円)を売り上げている。副業で楽しくやれる範疇で、高収益を上げている。

しかし、ただレアゲームを売ればいいというものではない。ゲームコレクターの心を知り尽くしていなければ、軌道には乗らない。

「保存状態がなにより大事。高値が付くのは未開封品ですね。開封品でも、外箱や同梱品など発売時と同様のセットを維持できているのかも必須です」

専用コントローラー、フィギュアなどはもちろん、発売時に同梱されていた“チラシ”ですらも大事に扱いそれを付加価値に利用する。もちろん、それをアピールすることも大事だ。

「アマゾンの場合は出品の文章と価格のみで差別化を図るしかありませんが、ヤフオクだと文章や画像で好きに構成し自商品をアピールできます。未開封でちゃんとキレイなことを説明したり、画像がピンぼけしないように気をつけています」

かくいう志村氏もゲームのコレクターのひとり。自分でプレイしようと購入した未開封品にプレミアムが付いていると知ったことが、この商売を始めたきっかけだ。

レアゲームは簡単に仕入れできない。そのため、志村氏は5つのルートを週に1日だけドライブがてらお店をまわり、アイテムを入手することに時間をかけている。そしてヤフオクなどから安く仕入れてオンラインで高く売る「電脳せどり」も店舗仕入れと並行して行っている。

「毎月頑張れば月50万円以上を稼ぐことも可能です。でも、自分は週に2日ほどを仕入れや発送、出品作業に当てています。マイペースで楽しく稼ぐがモットーです」

最後に、これから始める諸氏に一つだけ注意点を教えてくれた。

「仕入れの失敗を避けるなら、値段の裏を見極めるのが大事です。たまたま在庫が少なくて値段が跳ね上がっているのか、それともコンスタントに高値が続いている商品なのか」

プレミアム価格が付いても、探せばすぐ手に入ることもある。値崩れ候補だ。真のレアアイテムを知ることが、ゲームせどり頂点への第一歩


生産を中止した人気タイトルの未開封品がアツイ!


『ファイナルファンタジーⅦ』(PS)『ファイナルファンタジーⅦ』(PS)
シリーズ初のPS向けソフト。ボックスのジャケットは今までにないホワイトアルバム。以後のジャケアートに影響を与えた

仕入れ:500円
売値 :3万9800円

3万9300円の利益

『アークザラッド・モンスターゲームwithカジノゲーム』(PS)『アークザラッド・モンスターゲームwithカジノゲーム』(PS)
ʼ97年当時、PSでは珍しかったRPG作品。斬新で独特な美学で構成された画面は、前作ゆずり。世界観にどっぷりひたるファンも

仕入れ:4000円
売値 :2万4800円

2万800円の利益

『ジョジョの奇妙な冒険』(PS)『ジョジョの奇妙な冒険』(PS)
アーケード版からの移植作。メインの格闘ゲームに加えて、シューティング、カードなど多彩なモードを搭載。ʼ01年発売作品

仕入れ:7897円
売値 :1万8600円

1万703円の利益



仕入れはひたすら〝足で稼ぐ〟が基本


1.週に1回10軒程度
意外にも新古書店では、投げ売り価格のゲームは買わない。普通の棚こそ狙い目。逆に家電量販店では、ワゴンセールが穴場

2.6ルートくらい使って定期的に回す
お宝ゲームが入荷される頻度は高くない。関東一円を巡るルートを5つ持っているため、一つの店を訪れるのは5週間後だ

オークファン相場は「オークファン」を利用
http://aucfan.com/
ゲームタイトルごとの過去の落札額を知るには、このサイトが不可欠。無料でも充分だが、有料会員で相場分析情報も得られる


 
【志村光一氏】
バンド活動等の傍ら、モバオクで自宅の不要品を販売、利益が出たのをきっかけにʼ08年からゲーム・CD・DVDのせどりをはじめる。ハンドルネーム「のび三」でせどり情報も公開


ライブチケット転売は儲かるビジネスなのか?


エンタメ商品の転売で利ザヤを稼ぐといえば、ライブチケットの転売も気になるところ。モチはモチ屋――というわけで、現役のダフ屋・T氏に売れ筋チケットについて聞いてみた。

「嵐は1日で10万とかザラ。ジャニヲタはカネに糸目をつけないんだよ。自分が売っていたのはアリーナの手前ばかりだったから、7000円が5万円に早変わり。ときには興行のほうからチケットを根回ししてもらったこともあるけど、無駄に抱え込んだら元も子もない。そこで嗅覚が問われるわけ」

T氏が手がけていたのは、ジャニーズ、アイドル、ヴィジュアル系と高騰するのが当たり前のライブばかりだった。逆にフェス系は売り切れがほとんどないので、転売屋の間では“罰ゲーム”扱いされていたという。

「ヴィジュアル系なんて、普段CDが売れてないような奴らでもチケットは速攻で売り切れ。だからどんなクソみたいな席でも定価以上で売れるんです。こいつらが次にブレイクすると思ったら、買えるだけ買いましたしね」

しかし、「そろそろ足を洗う時期かな」とボヤくT氏。“ネット転売屋”の増加による弊害がその理由だという。「個別握手券付きCDとかが売れてるみたいだけど、5年前と比べて単価は3分の1。本人確認の規制も厳しくなってくみたいだし、コレ一本で食っていくのは厳しい時代だよね」

常に品数が出回っているモノでもないし、チケットで稼ぐのは難しそうだ。



握手券の偽造が発覚して男子高校生が捕まるという事件もあった。悪徳転売の温床か!?