吉田 恒氏 日本株が乱高下しています。これは、バブルの破裂が始まっているということなのでしょうか? 結論的に言うと、「バブル」の可能性はあるでしょう。ただ、その「破裂」が始まったかといえば、それはまだわかりません。


◆「バブル」を見分けるカンタンな方法


 <資料>のように、日本の株式時価総額は、4月末時点で日本の名目GDPに急接近してきました。過去においては、株式の時価総額が名目GDPに接近したり、ましてや上回った局面は、結果的に行き過ぎた株高、つまり「バブル」だったので、最近もその可能性はあるでしょう。

※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=446373
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 ただ、行き過ぎた株高、「バブル」が数年といった具合にかなり長く続くことも珍しくありません。ではそれが転換を迎える、「破裂」するのはいつでしょうか。まずはバブル退治の政策に動くかが一つのカギでしょう。

 現在、朝日新聞で行天元財務官のインタビューが連載されていますが、その中で行天氏は、ITバブルを警告したとして有名なグリーンスパン元FRB議長の「根拠なき熱狂か」という発言を、実際に発言が行われた1996年12月より前に、行き過ぎた株高への懸念として聞いていたことを明らかにしていました(2013年5月20日付け)。

 ただ、実際のIT株バブルはその後もしばらく続き、バブル「破裂」が始まったのは2000年3月以降でした。これは、グリーンスパンは「株バブル」を懸念しながらも、それを抑制する政策を採らなかった結果、その状況は長く続いたわけです。FRBが本格的な金融引き締めに動いたのは1999年以降でした。

 以上からわかるのは、「株バブル」でも、政策的にバブル退治を具体化しなければ、破裂に至らない可能性があるということ。では、アベノミクスや、バーナンキFRBが超金融緩和策を転換し、バブル退治の引き締めを本格化するまで、「バブル破裂」はないのでしょうか。

 ただ少し気になるのは、今回の「バブル」のような株高を招いたのは、超金融緩和策だけでも説明できるか微妙な、「異常な金利低下」の影響でしょう。この影響が大きかったということなら、政策とは別に、「異常な金利低下」修正に伴う金利上昇が、「バブル破裂」の引き金を引く可能性も注目されるのではないでしょうか。(了)

 
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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