アベノミクス相場で主に上がっているのは不動産銘柄。一方、REITも価格が上昇し利回りが平均3%台まで低下している。アベノミクスによる金融緩和は続く見通しだが、今後のREITはどうなるのだろうか。まだ買えるのか、それとも売り時なのか、最新事情を追う

⇒【前編】「不動産市況は強気でOK!」http://nikkan-spa.jp/435875


◆REITを選ぶ基準は4つに絞られる!


 実際にREITを買う時のポイントは何になるのだろうか。

「REITは39銘柄しかないから選ぶのも楽ですよ。ポイントは、4つあります。メインスポンサーがどこか。用途タイプは何か。例えば、用途にはビル型やマンション型、倉庫などの物流REITもあります。それから、時価総額。もちろん、時価総額が大きなモノのほうがリスクは少ないです。小さなREITは無視して、時価総額の大きなモノを買っていくのも一つの戦略ですね。あとは、地域タイプ。都市型なのか地方型なのか。これらの要因が分散したほうが、リスクは軽減されるので理想的です。実際に私が持っているのは5つのREIT。オフィス特化のビル系が日本ビルファンド法人(8951)とジャパンリアルエステイト(8952)。日本リテールファンド(8953)とフロンティア(8963)が商業施設特化型です。あとは物流特化型の日本ロジスティックスファンド(8967)です」(亀谷氏)

 投資先の不動産資産を分散させることで、全体の値動きを安定させることができるのだ。

「今の環境でREITが暴落することはあまり考えられません。下落しても最大20%程度ですむので、その値下がりに対応できるようにすれば大丈夫です」(足立氏)


◆ETFのほうが金額が少なくて手軽!?


 しかし、ネックになるのは用意しなければならない投資金額。

「初心者であまり手持ち資金がないとなれば、REITのETFはどうでしょう。それならば、1口2万円弱から10万円程度で売買することができます」(足立氏)

 ETFとは上場投信のことだが、REITと連動しているモノも存在するのだ。

「そもそもREIT自体は株に比べれば断然銘柄数が少ないですし、REITのETFは2つしかないので選びやすいですよ。野村と日興。野村はREITのインデックス連動型なので、REIT全体に投資しているといえるでしょう。日興のほうは隔月分配型タイプなので、配当金が隔月貰えます。あとは、ETFなら毎月金額を決めて積み立てていくこともできますよね。何度も聞いているかもしれませんが、ドルコスト平均法を使えば、より値動きのリスクを軽減できます」(亀谷氏)

 つまり、ずっと積み立てで買って持っていればOKというすこぶる簡単な投資法だ。ちなみに、売却するタイミングは?

「思いがけず上がったらでイイと思いますよ。例えば、利回り4%で100万円分買って、倍に値上がったら、25年分の利益が先に貰えたってことですから。ありがたく利益確定すればいいと思いますよ」(足立氏)

 亀谷氏の決済も値上がったものを優先している。

「私も、もう10年以上REITを持っていて、あまり売却は考えません。リターンリバーサルで考えて、売る時は高くなったREITから売る。実際、子どもの進学や自分自身のマンションの購入などの際にREITを売りました。まとまったお金が必要になったときは売っていますね」

 ただし利回り重視で投資しているのであれば、あまり売却は考えないで、コツコツ配当を貰うのがよさそうだ。今後の不動産市況もよさそうとのことなので、まだまだREITは買い時だ!


★REITを判断するポイント


【メインスポンサー】
REITのメインスポンサーがどこかをまず判断。三井不動産、三菱地所などの不動産会社がスポンサーになっている場合が多い。新興不動産会社のREITもあるが、やはり大きい会社の商品を選ぶほうが安心感が得られる

【用途タイプ】
用途タイプは主に4つに分かれる。オフィスなどのビルタイプ。ショッピングモールなどの商業施設、住宅系、物流系。これらを組み合わせているREITもあるので、一点買いではなく分散させてポートフォリオを組むべし

【時価総額】
REITも規模によって時価総額の大小がある。もちろん、三井不動産、三菱地所などのREITが時価総額は大きい。「時価総額が大きいほうがリスクは小さくなる。時価総額の大きい順で買ってもいいぐらいです」(亀谷氏)

【地域タイプ】
地域タイプも選ぶ際には重要。全国に物件を持っているタイプや、首都圏近郊に特化したもの。また、関西や福岡など地方に特化したものも。地方のREITは、首都圏に比べ、若干のリスクもあるのでしっかり判別しよう

※【グラフ】NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=435897

東証REIT指数に連動して動くETF。発売元は野村証券。単元数は10株なので1万7000円程度から売買が可能。少ない資金でREITを売買したいのならこちらのほうが手軽にできる
【上図】東証REIT指数に連動して動くETF。発売元は野村証券。単元数は10株なので1万7000円程度から売買が可能。少ない資金でREITを売買したいのならこちらのほうが手軽にできる


※【グラフ】上場Jリート
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=435898

日興アセットマネジメントの上場Jリート。こちらは、東京証券取引所に上場している全REITを対象とする東証REIT指数に連動するETF。単元数が100株なので16万円程度資金が必要になる
【上図】日興アセットマネジメントの上場Jリート。こちらは、東京証券取引所に上場している全REITを対象とする東証REIT指数に連動するETF。単元数が100株なので16万円程度資金が必要になる


【亀谷保孝氏】
かめや投資経済研究所代表。著書に『かめさん流スローな投資術』(東洋経済新報社)などがある

【足立武志氏】
足立公認会計士事務所代表。資産運用に精通した公認会計士として講演や執筆活動を行っている

取材・文/上野智(ミドルマン)図版/ミューズグラフィック
― 不動産市況は強気でOK!まだまだ買えるREIT最新事情【2】 ―