アベノミクス相場で主に上がっているのは不動産銘柄。一方、REITも価格が上昇し利回りが平均3%台まで低下している。アベノミクスによる金融緩和は続く見通しだが、今後のREITはどうなるのだろうか。まだ買えるのか、それとも売り時なのか、最新事情を追う


◆不動産が好調ならば、REITは買っても大丈夫


足立武志氏「首都圏を中心に不動産価格が値上がりしつつあります。不動産市況は今後底打ちして上昇トレンドとなる可能性が高い。REITはそもそもそれ自体が値上がりしても、収益源となる賃料家賃収入が変わらないかぎり、利益配分の原資も変わらない商品です。賃料収入がアップしないかぎり、REITは値上がりすると、利回りは下がってしまう。過去6%以上あったREITの利回りは、現在平均3%台になっています」

 と語るのは公認会計士で投資アドバイザーでもある足立武志氏だ。では買えないのかといえばそうではないらしく、かめや投資経済研究所の亀谷保孝氏は、「市場的には非常によい。物流倉庫のREITが新規に上場しましたし、実際、不動産会社に昨今の状況を伺うと、どの会社でも、『非常に好調』と言います」と語る。

「黒田日銀総裁はインフレでちょっとした資産バブルを起こそうとしています。ですから、まだ不動産価格が上がる可能性は十分あり、買っても大丈夫。参考になるのは'07年のプチ不動産バブル。当時、REITの利回りが2%になりました。この利回り2%台が一つのポイントで、こうなると“バブル”状態になっていくでしょう。ここまで利回りが下がったらREITは買えません」(足立氏)

 とはいえ、それにはまだ時間がかかると足立氏は指摘する。

「現在オフィスの空室率は8~9%台ですが、それが5%を切らないとREITの利回りが2%台にはなりません。東日本大震災以降、いったん日本から撤退した外資系企業などが戻ってこないと到達しない水準だと思います」

 今、実際に不動産を買っているのは外国人なのだとか。

「1月末に『市況はどうかな?』と思って渋谷のワンルームマンションの販売会に行ってみたんです。すると、午後にはもうすべて売り切れ。どうやら、中韓や東南アジアなどの資産家が物件の見学もせず、『出遅れていた日本の不動産が値上がりしそうだ』という理由で買っているようです。まぁ、消費税上げを見越してマンションを買いに来る日本人もいますが、メインは外国人」(亀谷氏)

 不動産市況自体は好調で問題なし。つまりREITはまだまだ買える状況にあるという。


◆REITを狙うなら値上がりより配当狙い!


 ただ、両氏ともREITは値上がりを狙うものではないと言う。

「REITは株よりも値動きがマイルドなのが特徴です。現状、利回りは3~4%程度なのですから、『国債を買うより高い利回り!』と思って、配当狙いで買うほうがいい。REITの値上がりは結果論でしかない。あまり追い回すべきではありませんね」(足立氏)

亀谷保孝氏 株式市場はアベノミクスで上昇、配当利回り4%以上だった銘柄はほぼなくなった。利回りを狙うならREITなのだ。また、亀谷氏は現物不動産よりREITを推す。

「私も不動産投資をしていますが現物に投資するとなると修繕費などコストがかさむ。あと、一番問題なのが流動性の部分。現物不動産は『売りたい!』と思っても、なかなか買い手がつかない場合も多い。しかし、REITは流動性があり、換金性も高い」

 流動性の観点から、現物の不動産投資を行うよりもREITは有利なのだ。

⇒「不動産が買えない人はREITを買うべし」に続く
http://nikkan-spa.jp/435876



【亀谷保孝氏】
かめや投資経済研究所代表。著書に『かめさん流スローな投資術』(東洋経済新報社)などがある

【足立武志氏】
足立公認会計士事務所代表。資産運用に精通した公認会計士として講演や執筆活動を行っている

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