吉田 恒氏 米株、NYダウの最高値更新が続いています。これは、米景気回復を受けたものでしょうか。下記の<資料1>を見ると、この米株高は、すでに2011年の途中から景気で説明できる範囲を大きく超えた動きになっているようです。「景気で説明できる範囲を超えた株高」といった意味では、2007年末、「住宅バブル」の状況に近いのではないでしょうか。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=438161
<資料1>


◆2007年「住宅バブル」と何が違うか?


 ただ、その2007年末と最近では大きな違いもあります。それは金融政策との関係。2007年末にかけて、FRBは2年以上も利上げを続け、政策金利であるFFレートは1%から5%以上に引き上げられていました(下記<資料2>参照)。これだけ利上げを行う中でも、上述のように「景気で説明できる範囲を超えた株高」となっていたのが「住宅バブル」の株高だったわけです。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=438164
<資料2>

 これに対して、今回は「景気で説明できる範囲を超えた株高」が続く中でも超金融緩和を続けているわけです。「景気で説明できる範囲を超えた株高」を「バブル」と置き換えると、2007年末のそれはマーケットが作ったものだったわけですが、今回はFRBが作ったものの可能性があるのではないでしょうか。その意味では、「バーナンキ・バブル」ということになるかもしれません。

 マーケットが作った「バブル」は、マーケットの自滅で終わるという理屈になるでしょうが、FRBが作った「バブル」ということなら、理屈としてはFRBの政策転換が転機になる可能性があるのではないでしょうか。

 そのFRB、バーナンキ議長は10日、「FRBがバブルが発生しているかどうかを見極められず、市場の評価を誤る可能性があるかもしれないが、今後、実体経済と比べて資産価格が歴史的に異常な状態になっていないかどうかをしっかりと監視したい」と発言しました。

 これを専門家の一部は、「FRBが資産バブルに対する警戒感を示し始めた」と受け止めたようです。普通の場合でも、低金利を好感した株高、いわゆる「金融相場」の株価は、利上げへの転換が接近する中である程度の反落が起こるものですが、今回の場合はそのリアクションがより激しいものになる可能性も注目されるのではないでしょうか。(了)


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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