吉田 恒氏 「バブル破裂」の見方をあざ笑うように、止まらない円安、株高の「アベクロ相場」。その前に、次に立ちはだかるのは「GW円高」ジンクスなのですが、さてこれも、ものの見事に凌ぐことになるのでしょうか。


◆円「売られ過ぎ」の逆流は回避できるのか!?


 <資料1>は2010年以降のドル/円のチャートに、日本の大型連休、GWのタイミングをマークしたもの。これを見ると、最近のGWではドル安・円高になる傾向があることがわかるでしょう。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=427354
<資料1>

 とりわけ2010年のGWは、「円高パニック」の様相となりました。たった一日で6円ものドル安・円高が起こったのです。ではこの「GW円高」をもたらした要因は何だったか。そして、今年は大丈夫なのでしょうか。

 <資料2>は、米商品先物取引委員会、CFTCによる円のポジション統計。これを見ると、GWにかけて円売り越しが5-6万枚程度に拡大するなど高水準になっていたことがわかるでしょう。

 この円売り越しは、2007年には10万枚を大きく上回ったこともありました。ただ当時は、米国の政策金利が5%以上で推移し、日米金利差ドル優位が大幅に開いていたのです。しかし、2008年以降、金融危機の時代となり、日米金利差もほとんどなくなって以降は、円売り越しも5-6万枚が上限となっていました。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=427356
<資料2>

 要するに、このところ、GW前に、円の売り越しは金利差という裏付けがないなかでの上限まで拡大、つまり円は「売られ過ぎ」になるパターンが繰り返されてきたのです。そして、GWで市場参加者が減り、薄商いで値動きが荒くなりやすいところで、円「売られ過ぎ」の逆流が起こると、まさかの「円高パニック」にもなってしまったということでしょう。

 では、今回のGWは大丈夫でしょうか。<資料2>を見ると、円売り越しは足元でも9万枚を越えるなど、2007年以来の水準に拡大しています。ただ、金利差の裏付けがないということでは、ここ数年と依然として変わりはありません。普通に考えたら、GWの円「売られ過ぎ」逆流リスクは、これまで以上に要注意なのではないでしょうか。

 ここ数年との違いといえば、もちろんアベノミクス、「黒田緩和」、いわゆる「アベクロ相場」です。それが、例年以上にマグマが溜まっているようにも見えなくない「GW円高」リスクを、またまた凌ぐことになるのでしょうか?(了)


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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