吉田 恒氏 ドル/円の今年の値幅が、この3月の時点ですでに10円に達してきました。過去2年間は、年間の値幅が10円前後だったが、それを早速3か月程度で達成してきたわけです。


◆異常な小動きの終わり


 ドル/円の年間値幅は、2010年までは「リーマン・ショック」が起こった2008年を除くと15円前後でした(資料1参照)。2011、2012年と2年連続で10円程度の値幅にとどまったわけですが、これが「異常な小動き」であり、正常化に戻る中で、15円以上に値幅が回復する可能性が注目されそうです。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=412152
<資料1>

 特に、過去の経験からすると、4年に一度の米大統領選挙の翌年、翌々年の値幅は拡大しやすい傾向があるため、今年の値幅も15円を大きく上回るものになる可能性も注目して見たいところです。

 今年、これまでのドル安値は86円ですが、仮にドル高方向へ値幅が15円以上に拡大するなら、年内に100円を大きく上回るドル高・円安が起こる計算になるわけですが、果たしてどうでしょうか?


◆異例のドル買い「一極集中」


 ところで、そんな過去3か月で米ドルの「買われ過ぎ」懸念が広がっているようです。ヘッジファンドなどの取引を反映しているCFTC統計によると、米ドル買い越しは、確認できる2004年以降の最高を大きく更新してきました。

 非米ドル主要5通貨(日本円、ユーロ、スイスフラン、英ポンド、加ドル)のポジションで試算した米ドルのポジションは、3月19日現在で26万枚の買い越しとなりました<資料2>参照。

 米ドルのポジションは、確認できる2004年以降では、買い越し、売り越しともに20万枚を大きく超えたことはありませんでした。そういったこれまでの実績からすると、足元では米ドルの「買われ過ぎ」懸念がかなり強くなっているといえそうです。

 米ドル以外の主要な通貨が軒並み大幅な売り越しとなる中で、米ドル買いへの集中といった構図になっている点が今回の特徴。ただし、そんな異例の米ドル買い集中現象がこの先も長く続くかといえば、やはり微妙ではないでしょうか。(了)

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=412153
<資料2>


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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