吉田 恒氏 NYダウは、13日にかけて1996年以来となる9営業日連続の上昇となりました。この記録的な米株高、ちょっと「バーナンキ依存」、FRBの超金融緩和を頼りにし過ぎの面はないでしょうか。


◆悪材料も米金融緩和継続なら問題なし


 最高値を大きく更新してきたNY株高は、<資料1>のように、米景気での説明の範囲を超えた動きのようです。なぜ、そんな株高となっているのか。<資料2>を見ると、それにはやはりFRBの超低金利政策の影響が大きいでしょう。ある意味では、空前の「金融相場」、つまり低金利を好感した株高が展開しているといえるのかもしれません。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=404218
<資料1>

 実際、最近の動きからもそれは感じられるところ。米政府と議会は、3月から歳出の強制カットを回避しませんでしたが、金融市場はほとんど動揺せず、むしろ米株は上述のように一段高へ向かいました。歳出強制カットに伴う景気への影響を懸念し、FRBが超金融緩和を継続することをむしろ好感した動きということでしょう。


※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=404219
<資料2>

 また、3月8日に発表された米2月雇用統計は、雇用増加数、失業率とも事前予想よりかなり良い「ポジティブ・サプライズ」となりました。米株はこれを好感して上昇したのでしょうか。

 ただ、米金融政策を反映する米2年債利回りは、この雇用統計発表後も0.25%程度でのほぼ横ばいが続きました。これを見る限り、この雇用統計「ポジティブ・サプライズ」も、超金融緩和方針見直しに至るものではないと、金利市場は受け止めたようです。そうであれば、この金融緩和継続の好感こそが、米株続伸の要因だったのではないでしょうか。

 米景気も確かに改善していますが、それ以上に景気で説明できる範囲を超えたFRB低金利政策が株高を後押ししている面はかなり大きいのではないでしょうか。そうであれば、そんな「バーナンキ依存相場」ともいえそうな動きの反動は、いずれ要注意ではないでしょうか。(了)


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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