吉田 恒氏 一本調子の円安、いわゆる「安倍円安」も、さすがに一息つきそうな感じになってきました。この後は、さすがに急激な動きの反動も入り、夏頃までは90-95円中心の方向感のない動きがしばらく続くとしたら、数か月の大相場に慣れた人たちにとっては少しガッカリなのでしょうか?


◆「安倍円安」一服後はどうなる!?


 ドル/円は2月25日、一時95円に迫る動きとなったものの、その日のうちに一時91円割れへドル急反落となりました。このきっかけは、イタリア選挙を受けたイタリアの財政改革路線後退への懸念、「イタリア・ショック」でしたが、一方でそれは円の「下がり過ぎ」修正の結果でもありました。

 <資料1>のように、円の総合力を示す実効相場の90日移動平均線からの乖離率は、2月にかけて記録的なマイナス拡大となっていました。少なくとも、1995年以降で見ると、95年9月に次いで第2位の円「下がり過ぎ」の可能性を示すものとなっていたのです。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=398611
<資料1>

 そんなふうに、短期的に「下がり過ぎ」の限界に達していた円だけに、「イタリア・ショック」をきっかけとして、その修正が大きく入ったことから、円の急反発という形になったということでしょう。

 ではこの後はどうなるのでしょうか。それを考えるうえで、今回と似た過去のケースを参考にしてみましょう。<資料1>のように、円の実効相場の90日線からの乖離率が、今回と同じように円「下がり過ぎ」限界を極めて急転換となったのは1995年9月でした。その当時のドル円の動きを見たのが<資料2>です。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=398614
<資料2>

 この<資料2>で、赤色の点線丸印を付けたところが、円実効相場のマイナス乖離率拡大が一巡し、縮小に転換した局面です。つまりそれは、「超円高」が反転した当初、2か月で約20円ものドル高・円安となった「榊原円安」が一息ついた局面だったわけです。このように見ると、「榊原円安」も、円「下がり過ぎ」の限界で一服したわけです。

 では「榊原円安」は一服した後にどうなったか。短期間にドルは急落したものの、そのままドル安・円高が大きく広がる「榊原バブル」破裂のような展開とはならず、3-4か月程度の一進一退、もみ合いを経て、再びドル高・円安基調に戻っていきました。

 さて、「安倍円安」に似ていることから、「榊原円安」のプライスパターンを検証してみました。これを参考にするなら、「安倍円安」一服後も、「バブル破裂」で大きくドル安・円高に戻る可能性より、3-4か月、90-95円中心での一進一退を経た後は、再びドル高・円安基調へ戻っていく可能性を探るということになるでしょう。


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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