衆院選を控えた昨年11月頃に民主党から自民党へ政権が再び交代すると期待されてから、日本株は3か月以上も上昇を続け30%も上がった。さらなる上昇を期待する人が多い日本株だが、まだ上昇余地は残されているのか?


◆PERで見れば、日本株はすでに割高。アベノミクスのインフレヘッジで新興国株に妙味

(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)

 12月の衆院選は、期待どおり民主党の惨敗、自民党の圧勝で安倍内閣が誕生した。安倍総理はデフレ脱却のためのインフレ政策を第一の経済政策に掲げ(アベノミクス)、日銀に執拗に金融緩和を迫り、さらに財政政策で日本の借金を増やしてでもバラ撒きにより景気を回復させることを狙っている。こうした政策は賛否両論があるし、具体的にはほとんど何も行っていないのだが、結果的に市場の期待で円は安くなり、株価は上昇した。そして国債の長期金利は依然として低いままであり、今のところ結果オーライといったところである。

 今回は日本株がすでに高すぎるのか、あるいは今後も上昇余地が残されているのか、株式投資の基本的な指標である「PER」で考えてみたい。「PER」というのはPrice Earnings Ratioの略で、株価を一株当たりの利益で割ったものだ。株式会社の利益というのは株主のものなので、この調子で利益を出せばあと何年で投資資金を回収できるかを示している。

 適正なPERは、理論的には将来の利益の成長性をさまざまなリスク要因で調整したものになる。つまり、利益が伸びる会社のPERは高くなるはずである。PERが適正値より小さければ割安、大きければ割高となる。

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【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは7万人に及ぶ。最新刊『外資系金融の終わり』(ダイヤモンド社)が発売中