吉田 恒氏 このところ、豪ドルの対米ドルでの下落が目立ってきました。豪ドルは、実際のところ複数の観点で割高観が目立っていただけに、その修正が入っているといえるでしょう。それにとどまらず、以前も書いたように(http://nikkan-spa.jp/378776)豪ドル高・米ドル安の本格修正の始まりといったことなら、FXにも大きな影響をもたらすことになりそうです。


◆豪ドル安・米ドル安のシナリオ


 <資料1>のように、豪ドルは、一定の相関関係のあるCRB指数に対して割高観が目立っていました。ここにきて、1.03ドル前後まで豪ドル下落となった動きは、このCRB指数に対する割高が修正されたという意味になります。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=383667
<資料1>

 では、これで豪ドルの下落リスクは終わるかといえば、ちょっと懐疑的な面があります。例えば、<資料2>のように、豪ドルはかなり「買われ過ぎ」懸念も強い状況にありそうです。その意味では、この「買われ過ぎ」修正の過程で、豪ドルの下落が一段と広がる可能性はまだまだ残っているでしょう。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=383670
<資料2>

 私が、中長期的な観点で特に気にしているのは<資料3>。これは、豪ドルの対米ドル相場での適正価格の目安、購買力平価からの乖離率です。これを見ると、1米ドルを上回っている現在の豪ドルの水準は、購買力平価が0.7ドル程度であるため、それより4割といった空前の割高になっているわけです。

 この空前の豪ドル割高をもたらしたのは、歴史的な米ドル金利の低下などの影響があったのではないかと私は考えています。そうであるなら、その歴史的な米金利低下の修正局面において、空前の豪ドル割高が修正に向かうなら、豪ドルは中長期的に一段安のリスクが警戒されるのではないでしょうか。

※<資料3>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=383671
<資料3>

 特に最後にご紹介した豪ドル米ドルの購買力平価との関係などが示すように、今後、豪ドル高・米ドル安の本格修正が起こるようなら、豪ドルが「一番人気」といったここ数年のFXの取引状況にも大きな変化が起こる可能性があるかもしれません。重要なテーマなので、今後も必要に応じてフォローしていきたいと思います。(了)


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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