吉田 恒氏 日本株の米株などに対する空前の割安感が昨年10月以降、急ピッチで修正が進んできました。日米株の相対関係がかつての状況に戻るなら、日本株はさらに3割程度もの上昇余地があるといった計算になるが、果たしてどうでしょうか。


◆日経平均が1万4千円になる理由


 TOPIXに対するS&Pの割合、TS倍率は、昨年10月には0.5倍まで低下していましたが、最近は0.6倍を越えるまで上昇してきました(<資料1>参照)。これは、日本株の米株に対する割安感の修正が進んだ結果です。それでも、依然として、日本株は米株に対して空前の割安といった状況が続いていることには変わりないわけです。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=381603
<資料1>
【上図】<資料1>

 <資料2>のように、かつてTS倍率は1倍前後で推移していました。それが、2009年後半頃から、それまでの下限だった0.8倍を大きく割り込み、記録的な日本株の割安拡大となってきたわけです。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=381612

 ではなぜ、2009年以降、日本株の割安が記録的な拡大に向かったのか。この頃からの顕著な動きは、世界的な金利低下でしょう。日本株は、世界で最も業績相場、つまり金利と同じ方向に動く傾向のある株価とされます。その意味では、世界的に歴史的金利低下局面が広がる中で、日本株が空前の割安拡大に向かったということではないでしょうか。

<資料2>
【上図】<資料2>

 さて、そんな日本株の割安拡大は、昨年10月で一巡し、最近にかけて修正が進んできました。これまでの文脈からすると、それは歴史的な金利低下の修正を反映した動きということになるでしょう。客観的には、それ以上に昨年10月からの円安と連動性が強そうですが、この円安も先行きの米金利大幅上昇を織り込んだ米ドル高の結果というふうに考えられなくありません。

 金利上昇や円安をにらみながら、日米株の相対関係がかつての状況に戻る、つまりTS倍率がかつての下限0.8倍以上を回復に向かうなら、S&Pが横這うとしても、TOPIXはさらに3割上昇する計算になります。これを日経平均にたとえるなら、1万4000円に向かうといった見通しになるわけですが、果たしてどうでしょうか?

 私はこの米金利上昇こそが、いわゆる「アベノミクス」の結果とされる円安、株高の真の理由ではないかと考えているのです。(了)


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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