吉田 恒氏 安倍新政権で円安・株高となりました。これが、夏まで続くかは、参院選に大きく影響しそうです。そして来年からの消費税引き上げを控えた財務省も、実はこの点の利害が一致しているでしょう。夏にかけて両者は互いの協力が必要と見られるため、大げさな言い方をすると一種の「密約」が成立していてもおかしくないかもしれません。


◆利害が一致する自民党と財務省


 安倍政権の次の重要な目標の一つは、今夏の参院選。このため、せっかくの「安倍円安・株高」は何とかそれまで維持したいのが本音だろうし、少なくとも選挙前にそれが大きく崩れることは回避したいところでしょう。(※<資料>参照)

 それは、財務省の利害とも一致するものではないでしょうか。財務省は、2014年4月からの消費税8%への引き上げが控えていますが、これは「2013年4-6月期の景気状況を見て判断する」といった前提条件が付いています。このため、財務省の消費税引き上げのためにも、今夏までの「安倍円安・株高」維持は必要ということでしょう。

※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=374662
<資料>


◆一時的な相場コントロールは可能なのか!?


 相場は基本的にコントロール不可能なものですが、一時的にはあたかもコントロールされたような結果もなかったわけではありません。例えば、2001年の暮れ。当時、日本ではデフレ対策で日銀による外債購入期待が一部にありました。ところがこれは、ドル高・円安が大きく進む中でフェードアウトしました。

 日銀の外債購入は、為替政策の専管を犯されるとして財務省が嫌っていました。このため財務省は一時的に円安誘導することで、日銀の外債購入策実現を阻止したとの見方は一応辻褄が合うものでした。その意味では、一時的に相場をコントロールしたわけです。

 最近も日銀外債購入論が再燃していました。ところが、安倍新政権になってから、金融緩和強化の主題は2%のインフレ目標、さもなければ日銀法改正かといった具合に変化しました。そのうえで、次期日銀総裁候補に財務省OBも排除せず。

 このように見ると、「日銀バッシング」は、ことごとく自民党と財務省の親密関係の裏返しのようです。それと、少なくとも「安倍相場」の夏までの維持という利害一致との関連は違和感がないところですが、果たしてどうでしょうか。(了)


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi
●毎週動画 http://www.m2j.co.jp/fx_channel/
●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/