吉田 恒氏 一般の感覚としては、最近は急にドル高・円安が止まらなくなってきたといった印象ではないでしょうか。でもこの動き、過去のドル高・円安と比べると、ようやく「平均ペース」に追い付いてきたといったところなのです。


◆ようやく「平均」に追い付いてきたドル高・円安


 <資料>は、1988年以降のドル高・円安トレンドを比較したものです。この中の赤色のグラフが、過去4回のドル高・円安トレンドの「平均」、そしてオレンジ色のグラフが、今回、2011年11月からのドル高・円安の動きです。

※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=364696
<資料>
 これを見ると、これまで「平均ペース」を大きく下回っていた今回のドル高・円安が、ここにきて一気に「平均ペース」に追い付く形になってきたのが、最近にかけてのドル高・円安の結果だということがわかるでしょう。

 ところで、「平均ペース」のドル高・円安なら今後の展開はどうなるのか。1年間は52週間ですから、2年目が終わる頃には100週を過ぎる計算になります。「平均ペース」のドル高・円安なら、100週を過ぎた頃からドル上昇率は25-30%程度になっています。今回に当てはめたら、今年の年末には95-100円程度になっている計算です。


◆「平均」か、それとも「最速」かを決めるカギは米金利


 <資料>を見ると、ドル高・円安が始まってから、100週を過ぎた頃、つまり2年目の終わりにはドル上昇率が50%前後に達していたのが青色のグラフ、「最速のドル高・円安」でした。もしも、今回のドル高・円安が、今年「平均ペース」さえ上回り、「最速ペース」に近付くようなことになったら、年末には110-120円になっている計算になるわけです。

 この1-2か月のドル高・円安の勢いからすると、それも決して「まさかの円安」とは思えない気分になってしまうかもしれません。相場の場合も、どうしても「見た目」の印象に強い影響を受ける面はあると思います。

 ただ、そもそもつい最近までドル高・円安が「平均」を大きく下回るペースだったのは、ドル金利が歴史的に低かったことからすると納得できるものでした。そうであれば、この歴史的なドル金利の低さが変わることが、今後のドル高・円安が「平均」か「最速」かを決める条件になると個人的には思います。(了)


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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