現職のオバマ民主党候補と、ロムニー共和党候補は大接戦の末、選挙を制したのはオバマだった。その結果を受けたSPA!は、3人の識者の知恵を借り、今後、盛り上がること必至なオバマ関連のアメリカ株&日本株をピックアップ。その可能性を探ってみた。


◆現職オバマ勝利で起こりうるマーケットへの影響を予測する!


 大接戦が報じられたアメリカ大統領選挙だが、結果はバラク・オバマ氏の再選となった。

山本 伸氏【右図】山本 伸氏

「そもそも選挙は現職候補が有利。ロムニー氏は追い上げを見せましたが『47%の人は税金を払ってない貧乏人』などの失言が響きましたね。現地ではルーピーとまで言われてしまいましたから……。やはり、リーマンショックから経済を立て直したオバマ氏の手腕のほうが評価されたのでしょう。今後も量的金融緩和のQE3など経済政策は現状維持だと思いますよ」

 と話すのはマネーリサーチの山本伸氏だ。また、NY在住の米株アナリスト和田康志氏はこう語る。

「現在のアメリカの下支えはやはりオバマ氏のおかげ。ロムニー氏が当選したらバーナンキFRB議長をクビにするという話もあったから、市場はその下ぶれリスクも抱えていた。オバマ氏の当選によってその不安もなくなりましたから、より足元は堅くなったと見ていい。一般にオバマ銘柄と言われているのは、医療関連、再生エネルギー、住宅・建設のセクターです」

 それでは個別の銘柄について順を追って見ていこう。

◆オバマ銘柄は医療再生エネルギー、住宅・建設


 オバマ氏の政策の軸で大きいのは医療制度改革。今まで日本の健康保険のように皆保険ではなかったが仕組みを変え、国民全員が医療を受けられるようになるという。

「そこで挙げられるのは、テネット・ヘルスケア(NYSE・THC)。今回の改革で、これまで病院に来なかった人も診察を受けに行くので需要が増えるはず」

 とファンドマネジャーの堀古英司氏は語る。保険が使えるとなれば、病院に行く層が増えるという。

テネット・ヘルスケア(NYSE・THC)アメリカ最大規模の病院チェーン。同じセクターではHCAホールディングス(NYSE・HCA)やリートのHCP(NYSE・HCP)など
【右図】テネット・ヘルスケア(NYSE・THC)アメリカ最大規模の病院チェーン。同じセクターではHCAホールディングス(NYSE・HCA)やリートのHCP(NYSE・HCP)など


「またジェネリック薬品の普及が進み、世界的に医療関連銘柄に影響があるかもしれません。例えば、メディカルシステムネットワーク(東1・4350)。ここは医療モールを展開している。あとはクオール(東2・3034)などの調剤薬局もいいですね」(山本氏)

 今や日本の調剤薬局全体の店舗数は約5万店という。アメリカ医療界のうねりが押し寄せてくれば、日本での伸びも期待できそうだ。

「それから、オバマ氏はグリーンニューディールも引き続き行うもようです。石油や石炭などの従来型のエネルギーから、再生エネルギーへのシフトを考えているので、関連株も盛り上がる。その一つがファーストソーラー(NYSE・FSLR)でしょうか。ここは太陽電池向けの半導体を作っているメーカーです」(堀古氏)

 再生エネルギーの流れは日本株にも影響するという。

「再生エネルギーの日本株で注目なのは、日本風力開発(マ・2766)です。再建途上なのでリスクはありますが、東日本大震災後にも、脱原発関連の銘柄として5倍に大化けしました。あとは、メタンハイドレード関連も盛り上がるはず。その筆頭はボーリングの技術を持つ鉱研工業(東1・6297)です」(山本氏)

 先端を行く、再生エネルギー関連は強気の銘柄なようだ。


【堀古英司氏】
ファンドマネジャー。ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC最高運用責任者。米国株式を中心に運用する。氏のファンドは楽天証券で購入可能

【和田康志氏】
米株アナリスト。T&CファイナンシャルリサーチUSA代表。野村證券米国現地法人などを経て現職。独自の米国株分析は、個人投資家からも人気

【山本 伸氏】
マネーリサーチ代表。経済情報誌『羅針儀』主宰。株式評論家として多数の講演・メディア出演を行う。独自の視点で解説する日本株論にはファン多数

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