吉田 恒氏 豪ドルは、日本の個人投資家に人気の通貨です。そんな「人気通貨」をめぐって、実はちょっとした「異変」が起こっている可能性があることを、皆さんはご存知でしたか?


◆豪ドルと株、金利の「三角関係」の変化


 まずは<資料1>をご覧下さい。これは、今年の豪ドル/円と、米株、NYダウのグラフを重ねたものです。両者は、夏頃までは同じような動きとなっていたのですが、8月頃からはその関係が大きく崩れているのがわかるでしょう。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=329330
<資料1>
 豪ドルは、主要な通貨のなかでは比較的金利の高い点が魅力とされます。また、資源が豊富な豪州の通貨だけに、資源価格との連動性も高く、代表的な資源国通貨であり、リスク選好局面で買われやすいリスク資産と位置づけられます。

 このため、代表的なリスク資産である米株と同じように動くのは珍しくないわけですが、<資料1>を見ると、それがこの数か月は大きく崩れているというわけです。崩れているどころか、むしろ反対の動き、つまり逆相関のとなっているようにも見えます。

 では、株では説明できなく、むしろ株と逆に動くことの多かったこの数か月の豪ドルの動きを説明できるのは何だったでしょうか。<資料2>を見ると、豪ドルは基本的に金利で説明できるという状況に大きな変化はなかったようです。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=328893
豪ドル
 ここまでを整理してみましょう。株と金利と豪ドルは、夏までは基本的に同じ動きとなっていました。しかし8月頃から、どうも株だけ、金利や豪ドルとは別な動き、場合によっては逆の動きが目立つようになってきたのです。一体、この数か月何が起こっているのでしょうか。


◆米株の「バブル破裂」、そのとき豪ドルはどうなる!?



 私は、前回のコラム(http://nikkan-spa.jp/326998)でも、<資料3>を使って、昨年以降の米株高は米景気で説明できる範囲を超えた動きの可能性があり、一種の「バブル」かもしれないと述べました。そんな見方からすると、株が金利や豪ドルと、これまでにないほど別な動きになっているのも理解できるのではないでしょうか。

 つまり、米株は一種の「バブル破裂」が始まっているのではないでしょうか。ところで、普通はその場合、株安で金利も低下となるものですが、前回のコラムでも書いたように、今回はむしろ米金利低下「バブル」が、景気で説明できる以上の「米株高バブル」をもたらしていた可能性があると私は考えています。

 その意味では、「米株高バブル」破裂で米金利低下となるのではなく、「米金利低下バブル」破裂の米金利上昇を嫌気する形での米株下落ということではないでしょうか。そして豪ドルは、株安と金利上昇のどちらについていくか。<資料1>、<資料2>を見ると、豪ドルは金利上昇と連動し、株バブル破裂でも、意外に豪ドルは下がらないといった展開になるのかもしれません。(了)

※<資料3>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=328894
<資料3>



【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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