依然として続く欧州の金融不安。通貨、国債などへの信用リスクが嫌気されている今、商品に注目する投資家は多いことだろう。しかし、「株、為替がダメなときは商品」の法則に異変が起きているという。新時代のコモディティ市場でガッツリ儲けるコツを伝授しよう!


◆長引く世界不況の影響で商品市場にもある変化が……!?



吉田 哲氏「コモディティ市場に変化があります。常識外のことが起きている」

 そう語るのはアナリストの吉田哲氏。コモディティ市場は、乱高下が激しい印象もあるが一体何が起きているのか。

「例えば、原油を見てみましょう。原油の主な先物取引にはWTI原油先物とブレント原油先物の2種類がありますが、もともとは相関性があり、連動していました」

 WTIとは「ウエスト・テキサス・インターミディエート」の略。アメリカ西テキサス地方で産出され硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油のことだ。一方ブレント原油とは、主にイギリス領の北海油田で生産される軽質低硫黄の原油である。北海油田はイギリス領とノルウェー領にまたがっているので、こちらは欧州の原油指標になっているが近年はその地位を高め、WTIとならぶ世界の原油指標となっている。

⇒WTIとブレント原油の価格差【画像】はコチラ
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=326162


WTIとブレント原油に価格差が生じた背景には、様々な要因がある


◆2種類の原油先物に異変あり!?



「’11年ごろから、この2つの原油先物は違う動きをし始めているんです。これは、リーマンショック以降の各国の金融緩和政策が根本的な要因となっていると思います。各国の株価も低迷していますから、各国中央銀行は経済を立て直すため、金融緩和をせざるを得ません。アメリカは現在も量的金融緩和政策第三弾のQE3を行っていますが、この緩和策の結果、余った資金の多くは株や為替ではなく、コモディティに流れてきています。その余波で常識だったことが崩れてきていると思います」

 本来、同じ原油なので、相関をもって動くはず。だが、金融緩和で余った資金を運用するため、利ざやを稼ぐトレーダー達の参入が目立つようになったことで、それぞれの原油が持つ独自の材料に敏感に反応しやすくなってきている。

「また、景気が悪いときは『金投資が鉄板!』といわれていますが、この人気を受けて高値圏にあった金が、ここ半年は高値を更新できずにいます。単純に金を買えば儲かるという図式ではないように思われます。長期的に見れば、世界各国の金融緩和で通貨の価値が下がり、代替通貨として金は上昇するかもしれませんが……」

 もはや「不況時には金を買え」という流れも常識ではなくなりつつあるというが、そこで、吉田氏が目をつけているのが白金だ。

⇒【後編】に続く 「東京白金と日経225の相関に妙味あり」
http://nikkan-spa.jp/326156



【吉田 哲氏】
ドットコモディティ社アナリスト。コモディティの動向に詳しい。コモディティ専門情報サイト「Commodity-Board」にリポート寄稿も

― 「狙い目は白金」これだけの理由【1】 ―