吉田 恒氏 米大統領選挙が近づいてきました。オバマ再選でも、ロムニー新大統領誕生でも、「バブル破裂」は大丈夫でしょうか?


◆米株高「バブル」の可能性


「えっ、バブルって何のこと?」と思った人が多いでしょうか。では、<資料1>をご覧下さい。これは、代表的な米景気指標と米株(NYダウ)のグラフを重ねたものです。これを見ると、最近の米株高は、米景気で説明できる範囲をまったく超えた動きになっています。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=318549
<資料1>
 この<資料1>を見て、今回以上に、米景気で説明できない米株高になっていたのは2008年以前だったことに気づくでしょう。2008年のサブプライムショック、リーマンショック前の局面でした。

 サブプライムショック、リーマンショックから始まる「100年に一度の危機」にかけて米株は暴落しましたが、このためそれ以前の米株高は、「住宅バブル」の結果と理解されていると思います。さて、最近は、それに近いほど、景気で説明できない株高になっているわけですから、「バブル」を疑う必要があるのではないでしょうか。


◆「悲観論バブル」破裂というシナリオ


「何てことだ、景気が回復した感じもなかったのに、さらに“バブル破裂”だなんて、一体どうなっちゃうのか―」、そんなため息も聞こえてきそうですが、でも私は、必ずしも悲観的な話を考えているのではありません。むしろ逆に、「悲観論バブル破裂」といったイメージを持っているのです。

 <資料2>は、さっきと同じ米景気指標に、今度は米金利(長期金利からインフレ率を引いた実質長期金利)を重ねたものです。これを見ると、米金利は、米景気でとうてい説明できない低下となっている可能性があることがわかるでしょう。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=318550
<資料2>
 金利が下がるのは先行きに不安があるときに起こります。ただそれが、景気では説明できない動きということは、行き過ぎた不安、つまり「悲観論バブル」の可能性があるということになるでしょう。

 そういった現象は、<資料2>を見る限り、過去10年間で初めてのことです。つまり、<資料1>で見た、2007年までの「住宅バブル」の局面とは違うようです。むしろ<資料1>、<資料2>をうまく説明するのは、「悲観論バブル」で金利が下がり過ぎ、その下がり過ぎた金利を好感する形での株上がり過ぎになっている可能性があるということでしょう。

 このような見方からすると、「バブル破裂」になるとしても、それは「悲観論バブル破裂」で、金利が上昇する結果、株上がり過ぎ修正が入るという見通しだと考えています。それって、悪い話? それとも良い話?(了)


【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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