800円から ETF&ETN

ショートやレバで攻めるなら海外上場銘柄にも注目


ETF(上場投資信託)は、その名のとおり株式市場に上場する投資信託。株価指数に連動するタイプだけでなく、金や原油などのコモディティ指数に連動するものもある。一方、ETN(上場投資証券)は、価格が指数と連動するという点はETFと同じだが、投資信託ではなく債券なので、値動きの連動性は債券の発行会社の信用力によって保証される仕組みだ。

「どちらがいいとは一概に言えませんが、ETNは昨年8月に国内上場したばかりなので、まだ取引が少なく、値が大きく動いたときに取引が成立しにくいリスクは多少あるかもしれません」とファイナンシャルプランナーの阿部氏。

 ただ、ETNにはETFでは取引できない畜産物(生牛・豚赤身肉など)指数や、砂糖・コーヒー・綿など穀物以外の農作物指数に連動するユニークな銘柄もある。

「銘柄によって数千円からと少額投資ができて、レバレッジが掛からないので初心者でも取引しやすい点ではETFもETNも共通しています。投資したいコモディティによって使い分けるのもいいでしょう」(阿部氏)。

 さらに阿部氏は、イランの問題で今年WTIが瞬間的に過去最高値の147ドル近辺まで噴き上げる可能性もあると予想している。

「今のうちに原油ETFを仕込んでおくのもいいのではないでしょうか。例えば大証に上場する『WTI原油価格連動型上場投信』は価格はドル建てのWTIを円換算しているので、円高はデメリットですが、逆に今後円安が進めば原油高とドル高のダブルで利益が期待できます」(阿部氏)

 ちなみに「WTI原油価格連動型上場投信」の2月24日終値は5820円。最小売買単位は1株なので6000円足らずでWTIが買えてしまう計算である。

 国内に上場するETF、ETNの銘柄は年々増えているが、それでも海外に比べるとバリエーションに乏しいのが実情だ。

 それについて、「国内のETFやETNには値上がり益を狙う『ロング』の銘柄しかありませんが、海外には空売りのように値下がりすると利益が得られる『ショート』の銘柄や、元の指数の数倍も値が動くレバレッジの効いたETF、ETNもあります」と語るのは浅川夏樹氏である。具体例として挙げてくれたのが下の2銘柄である。

 海外のETFやETNは、外国株を扱っている日本のオンライン証券会社でも売買できるが、浅川氏が紹介するようなショートやレバレッジを効かせた銘柄は海外の銀行や証券会社に取引口座を開かないと売買できないようだ。語学力に自信があるのならチャレンジしてみてはどうだろう。その海外ETFやETNには10ドル前後から買えるものもあるが、「海外の銀行や証券会社の売買手数料は片道数百円程度かかることが珍しくないので、あまりの少額投資だとコスト割れすることもある」(浅川氏)のもお忘れなく。


資源株の株式ファンドも狙い目


「コモディティ投資のもうひとつの方法として、鉱山会社や石油会社などの株を組み入れた海外の株式ファンド(投資信託)を購入する手もあります」と浅川氏。世界の名だたる石油メジャーや鉱山メジャーの株式だけで運用するファンドは、それぞれのコモディティ価格の1.5~2倍もの値動きをするものも少なくないという。「少額ずつ積み立てながら購入すれば、価格が下がっているときにより多くの口数(ユニット)を購入できるので、逆張り戦略に最適かもしれません」(浅川氏)。このタイプの海外ファンドは日本では直接購入できないが、一部の投資顧問会社やファイナンシャルプランナーなどが海外の販売会社と仲介してくれるケースもあるようだ。

【BlackRock World Gold】
運用資産の70%以上を世界中の金鉱会社の株式、残りを銀やプラチナなどの鉱山会社の株式で運用。地域別では北米企業の割合が高い。

【BlackRock World Mining】
世界中の鉄や非鉄金属、石炭などの鉱山会社の株式を中心に組み入れている。資金の一部は貴金属の鉱山会社株でも運用する。

【Investec Global Energy】
ブラジル石油大手ペロトブラスなど、石油、天然ガス、その他エネルギーの探索・採掘・供給を行っている世界中の企業の株式を運用

【Baring Eastern Europe Fund】
ロシア、トルコ、ポーランドなど東欧とその周辺国の株式で運用。ロシア石油大手ルクオイルなど、エネルギー関連銘柄の割合が高い

【Templeton Emerging Markets Fund】
世界的に著名なファンドマネージャー、マーク・モビウス氏が運用。ブラジル、ロシアなど新興国エネルギー企業の組み入れ比率が高い

【Schroder Agriculture】
資産のおよそ50~60%を世界の水産、農業、林業関連企業の株式で運用。素材メーカーや食品メーカーの株式にも投資する


4万円~ CFD

プラチナと金の価格の異変に気づいて荒稼ぎ!


 初心者がコモディティ投資をするのなら、ETFやETNから始めるのが無難だと思います。でも、僕には刺激が少なすぎて(笑)」と語るのは個人投資家で人気ブロガーのランケンさん。コモディティ投資に利用しているのはCFDだ。

 CFDの基本的な仕組みはFXと同じ。証拠金の10〜20倍のレバレッジを掛けられるだけでなく、ショートポジションを持てば、下落相場でも利益を狙える。

「しかも、昼間の時間帯しか取引できないETFや商品先物取引と違って、コモディティCFDは海外で上場する金や原油に連動しているので、夜中でも取引ができます。僕のように昼間は働いている人間にはもってこいなんです」

 ランケンさんがコモディティCFDを始めたのは2008年のリーマンショック直後のこと。このとき、通常なら開きがあるはずの金とプラチナの価格がほぼ同じ水準になっていることを、ランケンさんは「おかしい」と感じた。

「プラチナと金は相場の方向感がほとんど同じですが、希少性を考えればプラチナ価格が金価格を上回るのが普通で、明らかにプラチナの売られすぎか、金の買われすぎだと考えました。そこでCFDでプラチナの買いポジションと金の売りポジションを同時に建て、レバを目一杯効かせてダブルでサヤを稼ぐことにしたんです」

 この予想は見事的中し、数百万円もの利益を稼ぐことに成功した。「この戦略なら、どちらかの相場が予想に反しても、もう一方の相場が当たれば、その利益で損失をカバーできます。どちらひとつのポジションだけを建てるよりもリスクを抑えられるわけです」

 プラチナと金以外の銘柄でも、同じ戦略が応用できるという。「金と銀、豚と牛、コーヒーとココア、原油でもWTIとブレント原油といったように、通常は相場の方向感が同じ銘柄をペアで選んで、どちらか一方、あるいは両方の値動きに異変が生じていないかどうかを探ってみるんです」

 またイベントを狙って売買を仕掛けるのもランケンさんの得意技。2009年に豚インフルエンザのときは、豚の売りポジションで大きな利益を得たとか。

「コモディティは怖いと言いますが、だったら日本株だって怖いですよ(笑)。レバをコントロールしヘッジをかければリスクは抑えられる。マクロ経済がわかるとコモディティ投資は楽しいですよ」

情報満載、ランケンさんのブログ『南アフリカランド研究所』〈http://fxzar.blog54.fc2.com/〉。投資とビジネスに役立つ経済英語スクールも開講中。詳細はhttp://englishschool.aoia.co.jp/



浅川夏樹氏【浅川夏樹氏】
夜の銀座でお店を経営する傍ら、資産運用に役立つプログやニュースレターを発行する個人投資家。著書に『ETF』『グローバル化時代の資産運用』など多数

阿部重利氏【阿部重利氏】
ヒューマネコンサルティング代表取締役。CFPと経営コンサルタントとふたつの顔を持つ。著書に『コモディティ投資入門 普通の暮らしを守るためのおカネ術』など