3000円~ eワラント

選び方次第で初心者も楽勝長期保有ならトラッカーを


 日本株の値動きがぱっとしないせいでしょうか、最近は原油や金を原資産とするeワラントの取引が急増しています」と語るのはeワラント証券の土居氏だ。

 あらためて説明すると、eワラントとは国内外の株式や株価指数、為替などを原資産とする金融商品のこと。3000円程度の少額から取引できることや、相場下落時でもリターンが追求できること、FXやCFDなどの証拠金取引と違って、相場が予想に反して動いても最大損失が投資額までに限定されることなどが大きな特徴だ。しかも現物株の3〜10倍、為替の10〜50倍もの値動きをするので、レバレッジ効果も絶大である。

 eワラントには、原油(WTI)や金、銅、コーン、プラチナ、アルミを原資産とするタイプもある。昨年の欧州危機以来、低迷する日本株とは裏腹に、金やWTIが着実に値を上げていることに好感して、コモディティeワラントの人気が高まっているようなのだ。

「初心者がeワラントで利益を上げるためのポイントは、なるべく満期日までの残余期間が長く、レバレッジが小さいものを選ぶことです。残余期間の長いeワラントほど値動きがよく、レバレッジが2〜3倍程度であれば損失もかなり抑えられると思います」(土居氏)

 たとえば「プラチナリンク債コール12回」と呼ばれるeワラントの場合、満期日は2012年12月12日、レバレッジは1・87倍と、まさに初心者向きだ。

 ちなみにコールとは、eワラント毎に設定されている権利行使価格を原資産価格が上回っている状況で売却すれば利益確定となるタイプだ。反対にプットと呼ばれるeワラントは、原資産価格が権利行使価格を下回っている状況で売れば利益が確定するタイプである。単純に言えば、相場が上がると思ったときにはコールを、下がると思ったときはプットを選べばいい。

 この「プラチナリンク債コール12回」の2月24日の販売価格は5円で権利行使価格は2000円。原資産であるプラチナのこの日の価格は4443円なので、12月12日に2000円を下回る可能性はかなり低いと考えられる。eワラントの最小売買単位は1000ワラントだから、5000円あれば買える計算だ。プラチナの現物を買うには最低でも2万円以上もかかることを考えればかなりの少額である。しかも、レバレッジが抑え目とはいえ、現物のプラチナの2倍弱の値動きをするのだから、資金効率もまずまず。

 ただし、普通のeワラントは満期日までの残余期間がせいぜい数ヵ月から1年なので、どちらかと言えば短期投資向きと言える。

「じっくり保有したいという人にはトラッカーeワラントという商品もあります。満期日までの残余期間が数年間と長く、レバも1倍に限定されているので中長期投資に向いています」(土居氏)

 そこでeワラント証券のホームページで銘柄検索をしてみたところ、「銅リンク債トラッカー1号」というトラッカーeワラントを発見。トラッカーはレバ1倍、つまり、投資対象が〝今〞より値上がりした分だけ利益になると考えていい。満期日は2014年6月11日と満期日までの残余期間が2年余りと長く、「今年は中国の景気テコ入れによって銅の上昇が期待できる」(土居氏)という、長期的なシナリオにピッタリ。

「日本で銅価格に連動する投資商品はeワラントと一部のETFぐらいしかありません」と土居氏。

 ところで、今年からeワラントに関する税制が変更され、FXとの損益通算が可能になった。一方、ETFは株式の損益と通算できる。「すでにFXをしていてコモディティ投資を始めるのならeワラント、株をしている人ならETFを選んだほうが税制上は有利かもしれませんね」(土居氏)


土居雅紹氏【土居雅紹氏】
eワラント証券COO。’00年にゴールドマン・サックス証券でeワラントを開発・導入。’11年8月より現職。著書に『勝ち抜け!サバイバル投資術』などがある