吉田 恒氏 うんざりするようなドル/円の小動きは、欧州危機一段落の可能性がいよいよ確かになり、「質への逃避」の逆流で米金利上昇が一段と広がると、ついに終了した。そしてそれまでの小動きが夢でもあったかのような、ドル高・円安が信じられない勢いで広がり始めたのである――。


◆2月大相場スタートと似た構図


 これは、私の「希望のシナリオ」を書いたわけではありません。今年2月から3月にかけて実際に起こった展開について再確認したものです。

 今年2月初めにかけても、ドル円はうんざりするような小動きが延々と続いていました。しかし、当時、欧州債務危機の代理変数となっていたイタリア10年金利は、2月後半には5.5%を完全に割り込み、そして3月にかけてついに5%も割れる動きとなると、「玉突き式」にいろんな動きが広がっていきました。

 まずドル円と相関性の高い米2年金利が0.3%を超えて大幅上昇へ向かったのです。そして、この2年金利が0.4%近くまで一段と上昇するなかで、ドル高・円安も3月中旬にかけて1ドル=84円台まで一気に広がるところとなったのです。


◆「スペイン→米金利→ドル」の玉突きに注目


 こんなふうに見ると、脱小動き、ドル/円大相場の始まりは、欧州危機の一段落でした。2月当時、欧州危機の代理変数となっていたイタリア10年金利が5.5%を割り込み、ついに5%割れへ向かう中で、米金利とドルの大幅高も広がるところとなったのです。

 そのイタリア10年金利に、現在欧州危機の代理変数となっているスペイン10年金利を重ねたのが<資料>です(<資料>画像はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=311779)。イタリアもスペインも、欧州代理変数の10年金利の動きはこれまでのところよく似ていたといえるでしょう。

為替
 もうしばらくこの似た動きが続くなら、スペイン10年金利が5.5%を割り込み、5%割れへ向かう動きがいつ起こってもおかしくない時間帯に入っているようです。それが2月のように、「玉突き式」に、米金利とドルの上昇を後押しする形で大相場が再現する可能性は注目されるところです。(了)



【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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