「投資詐欺に引っかかるのは老後に不安を抱えた金融リテラシーの低い高齢者だけ」と思うのは早計だ。ネットマーケティングやSEOを駆使したニュータイプのネット型投資詐欺の被害者は、年々低年齢化しているのだ。その誘惑の手口とダマされる心理について迫ってみる。

⇒【前編】『年々進化する【怪しい投資話】』 http://nikkan-spa.jp/290243


◆有名不動産ファンドもついに終焉の予感……


 以前から「危ない」と囁かれていた某不動産ファンドにもメスが入りつつある。

「ヤフーなどの大手サイトにも大々的に広告を出していたファンドです。元本保証に近いことを謳っていたり、7%前後の想定利回りを記載していました」

「みんなで不動産オーナーになろう」と出資者を募っていたこのファンド、8月末には東京都と大阪府から行政処分を受けて30日間の業務停止中だ。

「処分が自治体から出ているので、おそらく国民生活センターに相談が相次いだのでは。処分の理由は契約書の記載漏れなどですが、もっと大きな問題がありそうです」

 このファンドは現在、11号まで売り出されているが、各号ごとに1物件へ投資し、その賃料などが配当に回されて7%ほどの利回りとなる。

「投資先の物件を見ると、地方都市の商業施設や倉庫などで、7%もの利回りを見込めるような物件なのか疑問です。本当にそれほどの高収益なら、手間をかけて投資家から小口の資金を集める必要もないはず。タコ足配当を行っている可能性もあります」

 これまでに償還を迎えたファンドは元本も利回りもきっちり支払われていたようだが、自転車操業だった可能性もあるわけだ。

不動産ファンド
【左図】通常のファンドのように基準価額がなく、償却時に元本の100%が返ってくるのが謳い文句だが、出資したカネがどのように運用されているかはブラックボックスの状態。早くやったもん勝ちなところもマルチ的といえる

 1本あたり10億円前後を集めていたので、総額は100億円以上になるだろう。それでいてホームページに掲載された直近の決算を見ると、現預金はわずか1.6億円。30億円以上の売掛金も気になる。タコ足配当であれ、そうでないのであれ、解約が少し増えれば、すぐに資金は枯渇してしまう、心もとない経営だ。

「このファンドの説明会に参加したことがありますが、元本保証に近いことを言っていました。この低金利時代、元本保証で7%の利回りなんて商品があるわけがない。同程度の利回りを謳う上場型不動産投資信託は当然、元本を割るリスクがあります。このファンドは信用リスクが高すぎるし、仕組みも不透明すぎます」

「怪しい儲け話」、自分は大丈夫だろうと思っている人ほど危ない。

「ブログやSNS、YouTube動画、情報商材など、あちこちから接近してきます。それも最初は外貨や不動産の一般論から入ってきて、気づくと個別の商品に誘導されています。それもマルチ的な『友人を勧誘すれば、配当がアップします』だったり、『今なら購入額に応じて商品券を差し上げます』と巧みに勧誘してくるので、ついつい契約してしまう」

 こうした「怪しい儲け話」はもとを辿っていくと大本は同じ人物に当たることが多い。同じ面々が商材だけを替えて、同じ手口で商売しているのだ。

「最近のはやりだと、カンボジアの不動産投資信託やニュージーランドのオンライン銀行口座などがあります」

 シャンプーやサプリは断れても、儲け話だとつい乗っちゃうかも。ネットで知り合った人からの誘いには特にお気をつけあれ。


取材・文/高城 泰(ミドルマン)
― アマい言葉にご用心!【怪しい投資話】の全貌【2】 ―