9月13日、FRBは「QE3」の実施を決めた。続いて日銀も金融緩和を実施すると発表。これで日米欧が揃って金融緩和を強化することが決まったが、ユーロ危機はダラダラとこれからも続くことが予想されるという


◆ユーロ危機で崩壊する欧州。スペインやギリシャの若者の半分に職がない


(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)

 ユーロ危機がスペインやギリシャの経済を破壊しつつある。財政は各国でバラバラなのに、通貨が統一されて固定相場制になっているという、ユーロの構造的欠陥が原因である。現在、スペインの10年物国債の金利は6%を超える一方で、ドイツの金利は約1%。ギリシャに至っては25%を超えている。国債金利は政府の資金調達コストなので、ギリシャやスペインは、ドイツよりもはるかに高い利子を払わないと資金調達ができないことになる。マチ金に手を出す低所得者のごとく、利子を払うために借金を重ね、その借金がさらに利子を要求する。要するに、もう“詰んでいる”のだ。

 本来は、経済が弱く信用のない国は為替レートが切り下がり、観光業や輸出産業などで儲けることができる。しかしユーロという固定相場制なので、こういった為替レートの調整が利かない。結局、ユーロ危機は、ギリシャやスペインがユーロから離脱するか、ドイツの莫大な経常黒字をギリシャやスペインに移転させるしか解決方法がないのだ。ドイツ人のカネを、ギリシャ人やスペイン人にくれてやる必要がある。日本だって、東京で稼いだ税金を地方に配っている。それと同じことだ。しかし、それは各国に主権があるユーロ圏では、政治的に極めて難しい話だ。だから、これからも問題が起こるたびにドイツがちょびちょびとカネを出し、ダラダラとユーロ危機を続けていくことになる。

【後編】に続く⇒http://nikkan-spa.jp/304889
ユーロ危機で崩壊する欧州。ドイツの一人勝ちはいつまで続く?




【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは7万人に及ぶ。最新刊『外資系金融の終わり』(ダイヤモンド社)が発売中

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