アメリカの株価が上昇している。これで景気も回復の兆しを見せるのかと思いきや、そんなことはないという。アメリカ国民の多くがまだまだ苦しい生活を送り、オバマ大統領の政策に否定的だというが、いったいなぜ?


◆株価が上がっただけで景気回復と言えるか?答えはNOです!


(現役金融マン ぐっちーさん)
現役金融マンぐっちーさん アメリカの株価はほぼリーマンショック以前のレベルに戻ったことを以前指摘しました。ナスダックなどがアップル効果もあり、当時のピークを抜いたにもかかわらず、いまだにアメリカ経済は不調、と言われオバマ大統領はピンチを迎えています。しかし、株価を見れば、失敗どころか見事に元のレベルまで戻した、と主張できなくもない。では、なぜオバマ大統領は責められるのか?

 通常テレビ、新聞などはアメリカ経済動向というと株価を追います。朝一番で昨日のニューヨークダウは……、などと報道するわけです。ところが株価指数は実はアメリカの景気自体など全く表していない。例えばオバマ大統領が最も責められているのが雇用問題。株価が戻る一方で、アメリカ経済全体で見ると失業率がちっとも下がらない。なぜなら企業はリストラをして人をガンガンクビにし、給料もガンガン下げた。その結果、企業収益は上昇、それを受けて株価は上がるが、失業率も上がった。これでアメリカ経済回復と言えますか? 答えはNO、でしょう。

 つまり株価を見てもアメリカ経済の真の動向は全くと言っていいほどわからない。日本メディアは根本的な部分を誤解しているので、株価を追い、経済状況を見ようとする。もっと言えば株価上昇による資産効果というのは株を持っているような裕福な人にはプラスに働くが明日の暮らしすらわからない失業者の人には全くというほどプラスになりません。彼らには今日のキャッシュフローが必要なのにそれが得られない。そして、失業率が8%台という高い水準で安定してしまったという難題に、アメリカは直面しているのです。

⇒【後編】へ続く「金融緩和政策で景気が回復しない理由」
http://nikkan-spa.jp/300208




【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウをブログに執筆し、いち早くサブプライムローン問題に警鐘を鳴らしていたアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している

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